春屋

こちらはゲーム「THE IDOLM@STER」「東方project」を応援しているサイトです。管理人のプレイ日記や、SSが置いてあります。
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妬ましいくらい美しい紅の葉

このお話は東方プロジェクトの二次創作です。
多少、設定と違う所があるかも知れませんが
「私は一向に構わんっ!」という方は先へどうぞ。





山の木々が紅葉で赤く染まってきたある日。

人里の収穫祭に招待を受けている豊穣の神、穣子は
少し慌てながら出かける準備をしていた。

「さーてと、急がないと遅れちゃう。・・・ねえ、姉さんは
本当に行かないの?」

おめかしをしている穣子とは違い、いつも通りの服装で
イスに座っているのは穣子の姉で紅葉の神、静葉。

「うん、私はいいわ。穣子ちゃんは楽しんでらっしゃい」

「うーん、姉さん人里行くの嫌い?」

「ううん。そんな事はないわよ。でも、今日は収穫祭。豊穣の神で
あるあなたに感謝するお祭りなんだし。私はせいぜい葉っぱを
赤くするだけだからね」

「そう?後で早苗たちも来るって言ってたよ」

「ごめんね、穣子ちゃん。あっ、時間は大丈夫?」

そう言い、壁の時計を指差すとそろそろマズイ時間になっていた。

「ありゃ、もうこんな時間。それじゃあ、行ってくるね、姉さん」

「はい、いってらっしゃい」

そう言って穣子は人里へと飛んでいった。
……が、すぐ戻ってきた。

「あれ?忘れ物でもしたの?」

「いや・・・姉さん、知らない変な妖怪が来ても気をつけるんだよ。
最近は地底からだけじゃなくって空の上からとかこの前の宝舟からも
変な妖怪が出たって言うし」

「み、穣子ちゃん、私の方がお姉さんなのよ~!」

まるで留守番を頼まれた子供を心配する様に穣子に言われた静葉は
ポカポカと穣子を叩いていた。

「あはは、ごめんごめん。私はそれだけ姉さんが心配なのよ」

「う~、穣子ちゃんに心配されなくても平気よ。自分の事ぐらい自分で
守れるわ」

「でも、姉さん私より弱いしな~」

その一言で更に怒ってしまった静葉は弾幕をばら撒きながら穣子を
追い払うように送り出した。

「もぉー!早く出かけなさーい!!」

「うわわっ!ご、ごめんてばー!それじゃ、今度こそいってきまーす!」

静葉の弾幕を避けながら、穣子は今度こそ人里へと飛んでいった。

「はあはあ・・・本当に穣子ちゃんは・・・」

穣子を見送った静葉は家の中へ戻ろうと思ったが・・・

「ふう・・・ちょっと散歩にでも行ってこよう」

そう言って穣子が飛んでいった方とは逆の方へと飛んで行った。


「うーん、綺麗に染まってきたわね♪」

静葉は空から山を見下ろしていた。

「……今頃は穣子ちゃん、みんなと仲良くしてるかしらね」

そんな事を呟いた時、不意に後方から妙な気配が近づいてきた
のに気が付いた。

「・・・あら、どちら様?」

「ふふふ、気まぐれで地上に出てみるものね。だって、いい感じの
嫉妬心に出会えたのだから♪」

静葉の後ろには、金色の髪に緑の目とこの辺では見かけない
服装。そして、地上の妖怪とは違うやや重く暗い気配の少女。

「あなたは・・・地底の妖怪さんね。確か、宴会の時に見た事があるわ」

「覚えていてくれて光栄ね。私は水橋パルスィよ、秋の神様」

「紅葉の神様よ。で、私に何か用かしら?」

「そうねぇ・・・そういえば、いつも一緒にいる妹ちゃんが居ないのね?」

「穣子ちゃんの事?あの子は人里の収穫祭にお呼ばれして出かけたわ。
あの子は豊穣の神・・・紅葉の神である私よりも人気があるもの」

それを聞いたパルスィはニヤリと不適な笑みを浮かべた。

「あぁ、それで・・・」

「さっきから何かしら。さすがの私も怒るわよ・・・」

「だって、神様ともあろう方が妹に嫉妬するなんて・・・とっても愉快よ♪」

パルスィがそう言うと、静葉は怒りの篭った視線をパルスィに向けた。

「あら、怖い顔。でも、図星だったみたいね。あなたは妹を妬ましいと
思った。でなければ、私が来たりしないわ」

「・・・あなたは何者かしら?」

「私は橋姫。能力は・・・嫉妬心を操る程度ね」

「そう。でも、私はあの子の事をそんな風に思った事は……」

「無い、と言い切れて?さっき、あなたは妹さんの方が自分より
人気があると言ったわね。何でわざわざそんな事言ったのかしら?
それって・・・立派な嫉妬よ」

それを聞いた静葉は黙ってしまった。なぜなら、全部ではないが
パルスィの言った事に心当たりがあったからだ。

「ふふふ・・・何も言わないのは肯定とみなすわよ。あの子、宴会の時に
見てたけど、あなたと違って明るくてお友達も多そうよね。それに、今回
呼ばれたのもあの子『だけ』だものね。それはそれは妬ましいわよね~」

「……そうね。そうかもしれないわね。穣子ちゃんは私と違って元気な子
だし、お友達もいっぱい居るわ。だから、人里の人間達にも私より
とっても好かれてる。だから、あんな風にみんなと仲良くなれる
穣子ちゃんをとても羨ましく思うわ」

「でしょ~♪良いわ、良いわよあなた。ほらっ、私の様に妬ましく思えば
楽になれるわ・・・」

パルスィが楽しそうに静葉に近寄ろうとした瞬間、鋭い弾幕がパルスィの
両頬をかすめ、何本か髪を散らせた。

「あ・・・ら?」

「でもね、私はそんな穣子ちゃんをとても誇りに思うわ。だって、姉である私が
羨ましいと思うほどみんなに好かれるいい子なんだもの。だから、私は
あの子を羨ましいとは思っても妬ましいとは思わないわ。『妬ましい』と
思う事と『羨ましい』と思う事・・・似てるのかも知れないけれど、
私は違うと思うわ」

「ど、どう違うというのかしら?」

「私はあの子の事、大好きよ。それが一番大きな違いよ」

「……そう、もういいわ」

パルスィはそんな静葉の言葉を聞いてすっかり興味が失せてしまっていた。

「あーあ、もうつまらないわ。それじゃ、私は行くわ・・・」

「ちょっと待ちなさい。念の為に行っておくわね」

静葉はそう言い、立ち去ろうとしていたパルスィの喉元に人差し指を当て
こう告げた。

「なっ・・・」

「穣子ちゃんにちょっかい出すのはやめてね。でないと……」

「でないと・・・何よっ?」

「…………コロスわ」

恐らく、誰も見た事の無いであろう静葉の殺気に、地底の妖怪であるはずの
パルスィは動けなくなっていた。

「ちょっ、いいの?神様がそんな事言って。あの巫女だって黙って・・・」

「関係無いわ」

その一言がトドメだった。パルスィは目の前の静葉が何か恐ろしいモノに
見えて怯えてしまった。

「わっ、わかったわよ!頼まれたってあんた達になんか関わるもん
ですかっ!!」

そう言い捨てて、パルスィは何処かへ飛び去ってしまった。

そして、残された静葉はというと……

「はあ~・・・。うまく怖がらせる事できたかしら?私は諏訪子様みたいに
タタリ神じゃないからな~。それに、あそこまで言う事なかったかしらね。
・・・もしかしたら、お友達になれるかもしれなかったのに。
でも、穣子ちゃんにあんな風にちょっかい出したりしたらケンカになっちゃい
そうだし、二人がケンカするのはイヤだし・・・はあ~」

静葉が悲しそうにため息を付いていると、何処からか聞き覚えのある声が
聞こえてきた。

「姉さーーーん!!!」

「えっ?穣子ちゃん?わわっ!?」

文字通り静葉の元へ飛んでやってきたのは人里へ行ったはずの
穣子だった。

「姉さん大丈夫!?さっき変な妖怪とすれ違ったけど何かされなかった!」

「え?あ~、大丈夫よ。ちょっとお話したくらいだから・・・あはは」

「本当に?よかった~、姉さんに何かあったらどうしようかと思って」

本当に心配してくれている穣子を見て、静葉は本当に嬉しかった。

「そういえば、お祭りの方はどうしたの?」

「ああ、それなんだけどさ。巫女やら白黒やらも来ててさ、「姉さんだけ
置いてくるのはかわいそうだろ!」って言われちゃって。それで戻ってきたの」

「そうなの。あの二人、そんなに気を使わなくてもいいのに・・・」

「違うよ。あの二人だけじゃなくて早苗達や里の人達も同じような事言ってた。
姉さんだって、綺麗な紅葉を見せてくれる立派な神様だって。あっ、もちろん
私も同じだからね。だって、やっぱり大好きな姉さんとは一緒に居たいし♪」

「穣子ちゃん・・・あ、ありがとうね」

「ね、姉さん!何で泣くのさ!」

静葉は自分でも気が付かない内に涙を流していた。

「だって、嬉しいんだからしょうがないじゃない~!」

「もう、しょうがないな姉さんは?」

穣子はボロボロ涙をこぼして泣いている静葉を抱きしめていた。
その胸の中で、静葉はほんの一瞬でも穣子の事を妬ましく思った事を
申し訳なく思い、更に涙を流していた。

「ほら、姉さん泣き止んでよ。そんなんじゃ、みんなの所に行ったら笑われ
ちゃうよ」

「うん・・・ひっく・・・ごめんね、穣子ちゃん」

「別にいいよ。だって、姉さんだし♪ほら、早く行こうよ。みんな待ってるよ」

「うん。本当に・・・穣子ちゃんが私の妹でよかったわ。ありがとう、穣子ちゃん」

こうして、二人は仲良く手をつなぎ人里へと向かった。

もちろん、里に到着した時には二人とも大歓迎されたのは言うまでも無い。

おわり。
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【 2009/09/18 (Fri) 】 東方SS | TB(0) | CM(0)
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