春屋

こちらはゲーム「THE IDOLM@STER」「東方project」を応援しているサイトです。管理人のプレイ日記や、SSが置いてあります。
071234567891011121314151617181920212223242526272829303109

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
【 --/--/-- (--) 】 スポンサー広告 | TB(-) | CM(-)

小鳥さんSS コトリカゴ 2話 音無小鳥によるある日の日常

このSSは前に七瀬が出した本のSSです。
1~4話と続きものになってます。




それは8月のある日のこと。

その日、765プロの事務員である小鳥とプロデューサーである青年は事務所
の倉庫整理をしていた。事務所も大きくなり、みんなの衣装が増えた為に
そろそろ整理しないと大変な事になりそうだと社長に言われて二人で
整理をしていたのだが……

「いや~、プロデューサーさん。今日も暑いですね?」

「……ああ」

「えっと、喉も渇きましたね~」

「…………ああ」

ミーンミンミンミー!と、セミの鳴き声がやたら近くで聞こえたような気がした。

「え~~っと……、ここから出たいですね~~」

「………………ああ」

暑さで不機嫌モードなプロデューサーと、今にも泣きそうな顔をした小鳥の
視線の先には、何故かこの部屋の出口のドアノブが転がっていた。

「……ご、ごめんなさい~!」

「はあ、それにしてもどうすっかな……」

謝りながら泣いている小鳥を横目に、プロデューサーは途方にくれていた。


何故この様な事になったのか。それは遡る事30分ほど前の事である……


「……まったく、せっかく休みだって言うのに、たまたま事務所に寄ったら
 これだもんな」

文句を言いつつもプロデューサーは倉庫の荷物をテキパキと整理していた。
この日、プロデューサーはオフだったのだが、特にする事も無かったので
事務所に来た所を小鳥に捕まってしまったのである。

「ま、まあ、いいじゃないですか。お昼は私がご馳走しますし」

ちょっと困り顔の小鳥が脚立の上からプロデューサーに声を掛けた。

「ふう……。おい、そっちは大丈夫なのか?お前、身長低いんだから
無理するなよ」

「む、そんなに心配しなくっても平気ですってば。……確かに背は低いけど、
 それはプロデューサーさんが大きすぎるからです」

そんな事を言いながら小鳥はすねてしまった。

「あっ、それはそうとプロデューサーさん。あんまりこっち見ないでくださいよ
 ……その」

「……見ねえよ。どうせ、ウチのチビッコどもと大差ないだろうからな」

「そっ、それはひどすぎですよ!!プロデュー……」

と、その時。小鳥の乗っていた脚立がバランスを崩して傾いた。

「なっ!バカッ!!」

「きゃっ!」

バターーン! ガコン!!

「い、いたたたた……。ぷ、プロデューサーさん、大丈夫ですか?」

小鳥があたりを見回したのだが、プロデューサーの姿は何故か
そこには無かった。

「あ、あれ?プロデューサーさーん!」

「……うるせえよ、お前の下だよ」

プロデューサーは脚立から落ちてきた小鳥を助けようとして、その下敷き
になってしまっていた。

「あ……、ご、ごめんなさい~!!」

「いいからどけよ……、ん?」

その時、プロデューサーの目の前に金属の何かが転がってきた。

「……おい、小鳥。これなんだと思うよ」

「え?えーっと……ドアノブですね。何でこんな所にあるんですかね?」

「それじゃあ、出口の方を見てみろよ」

未だに小鳥の下敷きにされているプロデューサーがそう言った先を見て
みると、明らかに脚立が激突した跡があり、ドアノブの無い
扉がそこにあった。

「……えーっと、もしかしてあそこのですかね?」

プロデューサーは無言で小鳥の事をジーっと見ていた。


……そして、現在に至る。


「はあ、携帯は上着の中で机の上に置いて来ちまったからな?……。
 なあ、小鳥、他に誰か居ないのか」

「えーっと、律子さんが買い物に行っているので帰ってくれば何とか」

「で、帰ってくるのはいつ頃だ?」

小鳥はプロデューサーの質問に答える事無く、無言のまま固まっていた。

「……当分帰ってこないのか。社長は・・・部屋に居るだろうが気が付かない
 だろうな。まったく、こういう時に役に立たないおっさんだぜ」

ため息を付いてプロデューサーは壁にもたれて天井を見上げていた。
小鳥はそんなプロデューサーを見て何故か笑っていた。

「ふふ、プロデューサーさんって、社長の事まだそうやって呼んでるんですね」

「ん・・・まあな。一応、みんなの前では言わない様に気をつけてるんだぞ。
 なんだよ、何がおかしいんだよ」

「いえ、ちょっと懐かしかったもので。そっか、あれから随分経つんですね」

小鳥も同じく天井を見上げてそう言った。

「ふう……昔話もいいけどよ、ここから出ないとシャレ抜きで死んじまうぞ」

「ですね……。はあ、気まぐれで社長が付けた換気扇のおかげでまだ
 助かってますね」

ブォーンと機械音を放っている換気扇を眺めながら小鳥は言った。
だが、外の気温がかなり高い為に焼け石に水である。

「でもよ、そろそろ限界だぞ。お前は平気なのか?」

上着がTシャツだけのプロデューサーに対し、いつもの制服姿の小鳥は
とても暑そうだった。

「そうですね~……私も男の人だったら、プロデューサーさんみたいな
 格好できるんですけどね」

「ん?俺は別に気にしないが?」

「私は気にしますってば~!……あう、叫んだら余計に暑くなって
 きました^」

目に見えて弱っている小鳥を見て、プロデューサーは「流石にそろそろ
マズイかな」と思っていた。

「なあ、無理してると本当に命に関わるぞ。俺が気になるなら俺は部屋の
 端っこに行ってるが」

「うう……。あっ、そうだ!ここにある服で、涼しそうなのを着ていれば
 いいんですよ!」

そう言って小鳥は先ほどまで整理していたダンボールの箱を開け始めた。

「あっ、分かってると思いますけど、着替えてる間は壁とにらめっこして
 いてくださいね。でないと……」

「でない……と」

小鳥はニッコリと笑顔だったが、プロデューサーにはその笑顔が何故か
恐ろしいものに見えていた。

「……壁とお話しています」(でないと、ジェノサイドされる……)

「はい、そうしていてくださいね~♪」

こうして、しばらくの間プロデューサーは壁を向いて動かないでいた。

それから数分後。

「おーい、そろそろ壁とこれからの日本について語るのも飽きてきたぞ」

「えっと……、もういいですけど」

「なんだよ、それなら早く言え……よ」

振り向いたプロデューサーの目に飛び込んだのは、普段は春香達が
着ている衣装の一つを着た小鳥の姿だった。

「あ、あの、何か言ってくださいよプロデューサーさん」

「なんつーか、怖いくらい違和感ないのがすごいな、お前……」

プロデューサーの言うとおり、今の小鳥は他のみんなに引けを取らない
くらいアイドルっぽかった。ちなみに、今着ているのは美希の衣装である。

「なんで美希のなんだ?」

「えーっと、その、最初は春香ちゃんのだったんですけどちょっと……
着れなくって、律子さんのはあとちょっとだったんですけどね。
で、丁度よかったのが美希ちゃんのだったんですけど……」

それを聞いたプロデューサーは、「なるほど、春香と律子より上で
あずさ以下か……」とか、失礼な事を考えていた。

「で、涼しいか?」

「……は、恥かしいのでちょっと暑いかもしれません」

「意味ねえじゃねえかよ。まっ、いいけどよ……いつになったら
 出られるんだろうな」

「そうですね……」

そう言って、二人は唯一の出入り口である扉を見ていた。
外からは未だにセミの鳴き声が響いていた。

「くそ~、何でこんな頑丈なドアにしたんだよ」

と、プロデューサーがドアを蹴りながら言った。

「まあ、防犯対策ですね。泥棒さんがここに入ったら大変ですしね」

「なるほどな。確かにあいつらの衣装なら良い値段で売れそうだしな……。
 いや、売らずに取って置きそうな気も」

「うっ、やめましょうよ~」

二人は頭の中でみんなの衣装を手に喜んでいる泥棒の姿を浮かべていた。

「……少しばかり寒くなったな」

「色々な意味でですけどね……」

ぐう~~~~

「ぷ、プロデューサーさん?」

「あ~、腹減ったな。そう言えば、今日はまだ何も食べてなかった」

「そういえば、私もお昼まだです。あの、ごめんなさい、プロデューサーさん」

小鳥は申し訳なさそうにプロデューサーに謝った。

「あん?もういいって、気にするなよ」

「でも、私が誘っちゃったからこうなっちゃったわけだし。
 それにプロデューサーさん、今日はせっかくのお休み……」

「はい、ストップ」

プロデューサーは、小鳥の言葉を遮るように小鳥のおでこに人指し指を
押し付けた。

「あ、あうっ」

「気にするなって言っただろうが。お前に付き合ったのは俺の勝手だ。
まったく、しっかりしてくれよな、姉ちゃん」

プロデューサーのその言葉に小鳥はハッとしていた。

「プロデューサーさん、その呼び方覚えていたんですね……」

「そりゃあな、ここに来た頃はそんな感じだったしな。まあ、今じゃ
 俺の方が年上みたいだけどな」

「そ、それはひどいですよ~!」

そんな事をいいながらも小鳥は表情は笑顔だった。プロデューサーも
それにつられたのか笑っていた。その時、誰かがドアの向こう側から
ドアノブを回していた。

「あれ?カギは開いてるはずなのに……、ちょっと~、誰かいるの~?」

「あっ、律子!やっと帰ってきたのか!助けてくれよ、ドアが開かなくなって
閉じ込められてるんだ!」

「律子さーん!お帰りなさ~い!早く助けてください~!」

「あれ?小鳥さんは分かるとして、何でプロデューサーが居るんですか?」

「説明は後にしてくれ、こっちは干物になる寸前なんだからよ」

外に居る律子にそう説明すると、外でガチャガチャと音がしてやっと
開かずのドアが開いた。

「はい、開いたわよ……って!暑っ!二人とも、よく無事でしたね……」

律子は倉庫から出てきた空気にむせ返りそうになりながら、部屋の中を
覗いてそのまま固まってしまった。

「ん?どうかしたのかよ?」

「あの?律子さん、どうかしたんですか?」

二人の質問に律子は無言で小鳥の方を指差して答えた。

「……あっ」

律子が言わんとすることが分かったプロデューサーは、同じ様に
小鳥を指差した。小鳥はその指の指した方を追って行くと、
自分が指差された事に気が付いた。そして、それと同時に
自分の今の格好にも気が付いた。

「えっ……、って!きゃ~~~!!!」

小鳥はやっと開いたばかりのドアをしめてしまった。無論、同じ部屋に
居たプロデューサーも巻き添えであった。

「なっー!やっと出れたのに何やってんだよー!」

「だ、だって~~!り、律子さん、今のは忘れてください!
 ぜ~んぶ忘れてください~!」

「……えっと、私、もしかして邪魔だったりしますか?」

「り、律子、お前は今変な勘違いしてるぞ!っていうか、出してくれ~!」

「ああ~、ごめんなさいごめんなさい~!」

外の律子は「このまま放っておこうかな……」とも考えたが、仕方なく
もう一回ドアを開ける事にした。

「はい、もう閉めないでくださいね。……とりあえずっと」

律子は持っていた携帯で小鳥の写真を一枚撮った。

「お前、小鳥の弱味握って何する気だよ」

「ええっ!それじゃあ、私はこれから律子さんに逆らえなくって
 ……だ、ダメです!そんな事はさすがに!」

「あの、小鳥さん。勝手に人を悪人にして変な想像しないでください。
 プロデューサーもですよ。大体、小鳥さんにそんな格好させて
 何してたんですか?」

「おい律子、俺が着せたみたいに言うなよ。いや、部屋の中が死ぬほど
 暑かったから、涼しい格好になれって言ったら……」

と、プロデューサーが説明してる横で小鳥はまだ妄想中だった。

「……あの、小鳥さ~ん」

「はっ!な、なんですか、ご主人様っ!」

「あの数秒でどんだけ想像の翼広げたんだこいつは……。
 ある意味、立派な特技だな」

プロデューサーは呆れながらそんな小鳥を見ていた。

「さてと、さっさと着替えてこいよ。昼飯おごってもらう約束だったよな」

「は、はい。すぐに着替えてきます!」

小鳥はそう言い残し倉庫の中へ戻っていった。

「あはは、小鳥さんはあいかわらずですね。うーん、それにしても
 可愛いですねコレ」

律子は先ほど携帯で撮った小鳥の姿を眺めていた。プロデューサーも
それを壁に寄り掛かりながら横目で見ている。

「……そうだな」

「おっと、プロデューサーからそんなセリフが出るとは思わなかったわね」

「なんだよ、正直にそう思ったからそう言ったんだよ」

プロデューサーはそのまま律子とは反対側を向いてしまった。
そんなプロデューサーを、律子はニヤニヤしながら見ていた。

「あの、お待たせしました。……あれ?どうしたんですか、
 プロデューサーさん?」

「何でもない。ほら、こっちは腹減ってるんだ、さっさと行くぞ」

プロデューサーはそれだけ言うとそのまま歩いていってしまった。

「わっ、待ってください。そうだ律子さん、後の事お願いします。
 帰ってから続きしますから……って、プロデューサーさんまってください~!」

小鳥はそのままプロデューサーの後を追っていった。

「いってらっしゃーい。隣のオオカミさんに気をつけてね~!」

律子がそう言うと、遠くのプロデューサーが怖い顔で睨んでいた。
律子はそれを気にもせず手を振って二人を見送っていた。


「まったく、誰がオオカミだよ誰が」

「まあまあ……。プロデューサーさん、さっきのはちょっと嬉しかったですよ」

「さっきのってなんだよ?」

プロデューサーがそう聞くと小鳥が恥かしそうに下を向いたまま答えた。

「さ、さっきの私の事です。もう、あんなの似合わないって
 自分では思ってたから……」

「ん……、そんな事は無いと思うぞ。なら、俺がプロデュースしてやろうか?」

「ええっ!そ、それはいいです!でも、嬉しいですよ、そう言って
 くれるだけでも♪」

そう言って、小鳥はプロデューサーの腕にくっついてきた。
すぐに振りほどかれると小鳥は思ったのだが、プロデューサーは意外にも
黙ってそのまま歩き続けていた。

「……暑苦しいぞ」

一言文句を言ったものの、それでもプロデューサーはそのまま歩いていた。

「ふふ、プロデューサーさん、さっきの言葉……ちょっと本気にしちゃいますよ」

「はあ、勝手にしろ……」


プロデューサーさんはその言葉が後で自分の首を絞める事になるとは
思ってはいなかった……


「でも、それは別のお話……な?んてね」

「ん?何か言ったか、小鳥」

「ふふふ~♪さあ、行きますよプロデューサーさん♪」

おわり。
スポンサーサイト
【 2009/09/22 (Tue) 】 アイマスのSSですよ♪ | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。