春屋

こちらはゲーム「THE IDOLM@STER」「東方project」を応援しているサイトです。管理人のプレイ日記や、SSが置いてあります。
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その 幻想的な 初夢は・・・ 最終話

このSSはアイドルマスターと○○プロジェクトの二次創作です。
色々と設定が違うかもしれません。
それでもOKな方は先へどうぞ?♪

へ( 罪)へ <やっとゆかりんの出番だ!!
  ( )へ


最終話だからちょっと長いよ。





事の始まりは大晦日。あの日、俺を含めた765プロのみんなが『幻想郷』と
呼ばれる世界に迷い込んだ……いや、連れてこられた。
そして、霊夢達の協力を借り、散り散りになった春香達を見つけて
ようやく今回の事件の首謀者の家までたどり着いた。

「……ラスボスの城にしては普通の家だな」

「そうですね。なんか、磯野さんのお家みたいです」

春香・・・ラスボスの城がサ○エさんの家ってイヤだぞ。

「藍さん、ここが八雲さんの家なのね」

「はい、そうですが……あの、この子を何とかしてもらえませんか?」

俺達をここまで案内してくれた藍のフサフサしっぽに美希がしがみ
ついていた。

「あふぅ。だって、すっごく気持ちいいんだもん。わ~い、フサフサ~♪」

「あ、私もちょっと触ってみたいかも。藍さん、いいですか?」

「えーと、どうぞ」

「わ~・・・こんな抱き枕欲しい~♪」

「……美希、春香。置いていくぞ~」

まあ、俺もちょっと触ってみたかったがな。


藍の案内で中に入ると、以外にも普通の家だった。

「そういや、ここは幻想郷のなんて場所なんだ?」

「ここは『マヨヒガ』よ。外の世界の昔話に出てきてるんじゃない」

霊夢にそう言われ、少し考え込む。確か……。

「マヨヒガ……ああ、迷い家か。『遠野物語』に出てくるアレだな」

「えーと、お椀とか持って帰るとお金持ちになる・・・だったわよね」

「はい、絆と咲夜の正解。よく知ってたわね」

「俺はそういうの好きだからな」

「メイドとして、知識もしっかりしていないと」

「・・・ここに紫様がいらっしゃいます」

おっ、今度こそラスボスの顔が見れるみたいだな。

「紫様、入りますよ」

藍がふすまに手を掛けた時だった。

「えっ!?もう来たの!ちょっと待っ・・・」

スーーー、パタン。

「あ……」

『…………』

俺達の目の前に現れたラスボスは、やたらエロスな下着姿だった。

「ちょっと藍~!着替え中なんだからノックぐらいしなさいよ~!」

「す、すいません!」

「まったく。……ちょっとそこの貴方。下着姿の女性を前にリアクション
 無しって、失礼じゃない?」

俺の事か?えーと、こういう場合は……。

「キャー!!の○太さんのエッチーー!!」

「なんでよ!?私が見られたのになんでそうなるのよ~!」

「どうでもいいから何か着てくれない。見るに耐えないから」

「れ、霊夢~、ひどいじゃない」

「やかましい。あんたのせいで、幻想郷の品格を下げられたらたまらないわ。
 さっさと着替えなさい」

「は~い……」

とりあえず、着替え終わるまで部屋の外で待ってる事になった。

「なあ、お前本当に男なんだよな~」

「そのつもりだぞ、魔女っ子。お前の方がしゃべりかた男みたいじゃ
 ないか」

「それは放っておけ。つーか、お前女に興味無いのか?」

「・・・その言い方は語弊があるぞ。そういうわけじゃない」

「へー、そうなのかー」

……そういえば、ルーミアの奴ずっと俺の肩に引っ付いたままだったな。

「う~、ねぇ、ハニー。なんで、その子はずっとくっついてるの~。
 その子だけずるいの~」

「知るかよ。こいつが離れないんだ」

「……パス!こっちパス!!」

綾乃がパスを要求しているが、完全無視。つーか、ルーミアも本能で
危険を察知したのかちょっと嫌がっている。

「ねーねー、キズナ。おなかすいたー」

「ん?そう言われても、俺はもう食べ物持ってないぞ」

さっき千早達がいた所で、何か食ってくればよかったな。

「ほら、ルーミア。早苗の所から持ってきたお饅頭」

「わーい!ありがとう、れーむ!」

ようやくルーミアが俺の肩から離れた。よかった、霊夢が饅頭持って
なかったら俺が食われてたかも。

「すいません、お待たせしてしまって。紫様の着替えが終わりました」

「ああ、いま行く。・・・って、今度はなんで美希が俺に引っ付いてるんだよ」

「だって、ハニーはミキのなの~!」

もう、勝手にしてくれ……。


「フフフ・・・よくぞここまで来た、勇者達よ!」

「今さら遅いわよ、露出狂」

霊夢の奴、あの紫って奴にやたらキツイな。嫌いなのか?

「うう~、藍~!霊夢が反抗期よ~!」

「それはどうでもいいからよ。さっさと俺達をこっちの世界に呼んだ
 理由を聞かせてくれないか」

「もうっ!貴方もノリが悪いわね・・・いいわ、話してあげる」

コイツの相手すると、なんか知らんが疲れるな。

「霊夢達は知っていると思うけれど、私は普段この時期になると
 眠っているの」

「熊みたいにな」

「冬眠ですわね」

余計な横槍を入れた魔理沙と咲夜を紫はキッとにらんだ。

「・・・こほん。眠っているはずなんだけれど、たまたま目が
 覚めちゃって。それで退屈だからちょっと外の様子を覗いていたの。
 そうしたら、あなた達の姿が見えたのよ。とっても面白そうな人間達
 だな~と思って・・・」

「……そんな理由で絆達を幻想郷に呼んだの」

「そうよ。本当は私の家にまとめて呼びたかったんだけれど、手違いで
 幻想卿のあちこちに・・・あら?霊夢、顔がものすごく怖いわよ?」

「絆……これからちょ~っと激しく暴力的な事が起きるから、
 外に出てくれる~?」

「イ、イエッサー!」

や、やべえ・・・あれはマジで怒ってる。

「紫、お前との思い出は大切にしておくぜ」

「さようなら、あなたの事は忘れないわ・・・」

「紫、お前は私の親友だったぞ。達者でな~」

「ちょ、ちょっと。なんで魔理沙も咲夜も萃香も私が死ぬ前提なの?
 ら、藍は助けてくれるわよね?」

「……一回、ちゃんと叱られてください」

「は・・・はい」

信じていた式神にまで見放されるとはな。ちょっと哀れ。

俺達が部屋を出た後、部屋の中から

『封魔陣!』

『天覇風神脚!!』

『八方鬼縛陣!!!』

『夢想封印!!!!』

『夢・想・天・生ーーー!!!!!』

霊夢の鬼の様な声と紫の断末魔が響いてきた。無茶しやがって……。

その後、俺達は藍の提案で居間で待たせてもらう事にした。

「いや、本当にウチの主人のせいで申し訳ない・・・」

申し訳なさそうに藍がお茶を運んできてくれた。

「藍さん、もういいわよ。私はそんな怒ってないし、こっちで色んな
 かわいい子にも会えてよかったわ♪」

「私も霊夢達に会えたのはうれしいかも」

「うん、ミキもマリサと友達になれていい感じなの♪」

綾乃達三人は前向きな考えだな。まあ、俺もそうなんだけどな。

「ん?なーに、キズナ?」

「何でもねえよ。ほれ、煎餅食うか」

「うん、たべるー!」

「そーやってると、色男とルーミアが親子みたいだな~♪」

グサッ!

「きっと、将来良い父親になれるわね」

グサッグサッ!

「ん~?キズナは私のおとーさんなのかー?」

グッサリ!!

「な、なんか絆の奴泣いてないか?」

「魔理沙ちゃん、黒崎君の事を思うならそっとしていてね・・・」

「プロデューサーさん、気を落とさないでください!みんな褒めて
 くれているんですから!」

「ミ、ミキもそう思うの!だから元気出してなの?!」

お前らの励ましが逆に痛い……。

「ふぅ~・・・スッキリした」

ものすごく清々しい表情で霊夢が戻ってきた。

「よう、おかえり。で、あのスキマ妖怪はどうなった?」

「ほい」

ドサッ、とボロ雑巾みたいになった紫が畳に放り投げられた。

「・・・れ、霊夢、ここまでしなくても」

「何?その尻尾の毛、全部毟って欲しいって?」

「何でもありません・・・」

あの巫女は鬼か。さて、それはさておき・・・。

「おい、スキマ妖怪さんよ。まだ生きてるなら、さっさと俺達を元の
 場所へ帰してくれ」

「う、うう、霊夢ったら、あんなに激しくする事ないじゃないの~」

「霊夢~、もう一回だとよ」

「わー!ちょっと待ちなさい!誰も帰してあげないなんて言ってない
 じゃない~!」

余程さっきの霊夢が恐ろしかったのか、紫はイヤイヤと首を振っていた。

「まあ、すぐに返してあげてもいいけど・・・一つ条件があります」

「腕一本よこせとか言うんじゃないだろうな」

「どこの錬金術よそれ?そんな野蛮な事は言わないわ。簡単よ、
 あなた達のお仕事で私を楽しませてくれればそれでいいわ」

俺達の仕事って・・・つまり。

「なあ、お前らの仕事って何なんだ?」

「そういや私も聞いてなかったわね。春香が絆の事『ぷろでゅーさー』って
 呼んでるのと関係あるの」

「うん。私や美希、律子さん達はアイドルをやっているの」

「そうなの♪歌とかダンスでみんなを楽しくさせるのがお仕事なの♪」

「それで、私と黒崎君がその監督役、プロデューサーなのよ」

それを聞いていた霊夢達一同の次の台詞が読めた。

『そーなのかー』

「お前ら、予想を裏切らない奴だな・・・」

「でも、紫さん。ここで歌ったりするにはちょっと狭くないかしら」

「それにミキ達だけじゃさびしくない?」

美希がそう言うと、紫がニヤリと笑った。あ、なんか嫌な予感がする。

「なんか、嫌な予感がするんだけれど」

霊夢も同じ事を考えたらしい。

「ステージなら、もう用意できてるわよ♪では、ごあんな~い!」

「えっ・・・うおっ!?」

「きゃっ!」

いきなり足元にでかい穴みたいのが開いて、俺達はそれに落とされた……。


ドサッ!ドサッ!ドサッ!

「痛って!・・・なんだ、いきなりどうしたんだ?」

「びっくりしたー」

「ルーミア、平気か?」

「うん、だいじょうぶ」

どうやら、他のみんなも無事みたいだ。

「春香、早くどいてくれない。・・・重い」

「ああっ!ごめん、霊夢……って、私やっぱり重いの~!?」

「美希、立てるか。ほら、手を貸してやるよ」

「あ・・・ありがとう、マリサ」

「魔理沙はああやって好感度を上げていくのね」

「いたた・・・。で、ここはどこ?」

あたりを見回すと、見覚えのある神社が・・・って、ここは。

「博麗神社・・・だよな?」

「あっ、プロデューサー!大丈夫ですか!」

「あー!兄ちゃんと綾乃姉ちゃんだー!」

俺がようやく場所を把握したと思ったら、何故か千早と亜美がそこにいた。

「あれ、なんで千早ちゃんがここにいるの?さっきまで山の上の神社に
 いたはずだよね」

「亜美達も人里にいた筈だよな」

俺と綾乃が不思議そうにしていると、こちらに向かって猫っぽい格好の
チビッコがやってきた。

「紫さま~!言われたとおりにおつかいできましたー!」

「そう、ごくろうさま」

「ゆ、紫様?橙に何をさせてたんですか?」

「ちょっと他のみんなを集めてもらいにね。あ、この子は藍の式神の橙よ」

紫は隣にいる猫耳のチビッコを撫でてそう言った。式神の式神なんて
あるのな。

「私達はこの子に呼ばれてこの神社に」

「律っちゃんやあずさおねーちゃん達もいるよー♪」

「・・・つまり、ここで俺達を集めてライブをやれって事だな」

「そのとおり♪だって、私だけじゃ観客少なすぎてやる気でない
 でしょう?」

いたずらっぽい笑みを浮かべながら、紫がそう言った。なんつー自分勝手な
奴だ。

「そのついでに、ウチで宴会する気ね・・・」

「あの、どうします綾乃さん、プロデューサーさん?」

どうするかって言われても……ここまでされたら、やることは一つだ。

「春香、千早、美希、亜美!他のみんなを呼んで来い!俺達の仕事は
 客を選ばない!妖怪だろうが何だろうが、お前達のステージが見たいって
 言ってるんだ!こうなったら全力でやるぞ!」

『は、はい!?』

俺が発破を掛けると、春香達は一斉に他のみんなを呼びに走っていった。

「さすが、黒崎君。どんな所にいてもお仕事はちゃんとするのね」

「当たり前だ。やるなら中途半端じゃなく、パーフェクトだ」

「そっか、それじゃ私もがんばりますかね。ねえ、紫さん。衣装とかは
 どうすればいいの?」

「はいはい、ここにあるわよ」

紫は持っている扇子で空間に裂け目を入れると、そこからいつも春香達が
着ている衣装がドサドサッと出てきた。

「これ、向こうから持ってきたのか?」

「このくらいはね。他には何がいるかしら」

「あとは……あっ、音はどうするの?こっちに音響機械とかはさすがに
 ないわよね」

俺も綾乃と同じ事を考えた時だった……

「心配ご無用~!」

「音楽の事なら~♪」

「私達、プリズムリバー三姉妹におまかせー」

赤、白、黒の服を着た三人が楽器を片手に現れた。

「BGMは彼女達に任せていいわよ。あらかじめ、あなた達の曲を渡して
 おいたから、演奏できるようになっている筈よ」

「ゆかりんの言うとおり、こっちはおっけーだよ♪いや~、外の世界にも
 いい音があるもんだね」

「そうね。おかげであっという間に覚えちゃったわ」

「そういう事だから、心配しなくていいよお兄さん」

「でも、三人じゃ足りなくないか?」

そう言うと、黒い服のが俺にギターを差し出してきた。

「……俺に弾けと?」

「お兄さん、楽器出来る人だよね?そんな気がした」

「おー!一日限りのゲストだけど、私達と一緒に演奏できるなんて
 ラッキーだよ♪」

「ふふ~ん♪今夜は楽しいライブになりそう~♪」

どうやら拒否権は無いみたいだな・・・やれやれ。

「ねーねー、キズナ。ギター弾けるの?」

「無理しない方がいいんじゃないか。こいつ等、弾幕はアレだけど、
 楽器の演奏は幻想郷じゃかなりのもんだぜ」

「ルーミアちゃんも魔理沙ちゃんも心配無いわよ。黒崎君、事務所じゃ
 『完璧超人』で通るほど何でも出来る人だし」

ちっ、綾乃め、プレッシャーをかけるつもりかよ。

「・・・まあ、まだ腕は落ちていない筈だ。まかせておけ」

「わー、カッコイイー♪がんばってね、キズナー♪」

「ああ、ちゃんと見ててくれよ」

貸してもらったギターを確かめると、中々の年代物でカッコイイ。

「お兄さんがギターだから、今日の私はベース」

「私はドラムよ~♪叩きまくるわ~♪」

「私はいつもどおりキーボードー!」

「・・・って、最近この楽器の組み合わせをどこかで見たような」

脳内でやたら『うんたん、うんたん』とこだまするんだが……。

「プロデューサーさーん!律子さん達を呼んできましたー!」

「ちょっと、プロデューサー。本当にここでライブする気なの?」

「ああ、大マジだ。俺はこいつらと音合わせするから、律子達はさっさと
 そこの衣装に着替えて準備してくれ」

「あ、はい。……なんか、いつになくやる気があるわね」

「いつもの仕事と同じだ。やるんだったらしっかりとな」

「わかったわ。みんなにも気を抜かないように伝えておく。そのかわり、
 プロデューサーもちゃんとやりなさいよ!」

「ああ、わかってる」

春香達の事は律子に任せ、俺もしっかり演奏出来る様に準備を始めた。


「えーと、私と小鳥さんは何をしたらいいのかな」

「そうですね。ステージはプロデューサーさんにまかせておけば
 大丈夫でしょうし」

「なら、二人でこっちを手伝ってもらえないかしら」

「え?咲夜さんのお手伝いですか」

「律子は本業に戻っちゃったし、宴会のお料理やお酒を出したりするのに
 人が足りないの。お願いできるかしら?」

「いいですよ。私が今できる事はそれしかないみたいだし」

「それじゃあ、私もがんばります。咲夜さん、こちらこそお願いします」

「助かるわ。それじゃあ、主役達の邪魔にならない様に行きましょう。
 ほら、霊夢達も」

「はいはい。……春香達、なんか楽しそうね」


それから1時間後……。

「プロデューサー!こっちは準備出来たけ・・・ど?」

「まっくろお兄さんすごいー!こんな短い時間で、私達に合わせられる
 なんてー!」

「うん、普通にすごい」

「ねえねえ、このまま私達のメンバーになっちゃえば~?」

「悪いがまだ幽霊になる予定は無い。ん、どうした律子」

「いや・・・さすがプロデューサーだな~と思って」

律子の奴が来たって事は、向こうの準備は出来たみたいだな。
ふう、こっちも何とか間に合った。

「よし、悪いがちょっと春香達の様子を見てくる」

「・・・私達も行ってみたい」

「そうだね。歌ってる子達を見ておきたいし」

「んー、まあいいか。律子もいいよな?」

「そうね。せっかく私達の曲を演奏してくれるんだし、顔合わせ
 しておかないと失礼よね。わかったわ、こっちへどうぞ」

結局、三姉妹も舞台袖について来る事になった。

「あっ、プロデューサーさん!」

「プロデューサー、こっちはいつでも歌えます」

『兄ちゃん、兄ちゃんー!』

お前ら、わらわらと一斉に来るな。ちょっと怖いぞ……。

「あはは、まっくろお兄さんモテるね」

「やかましい。・・・貴音と響はそこで何見てるんだ?」

何やら客席の方を覗いているみたいだが。

「あ、キズナ。アレ見てみろ、綾乃が大変な事になってるぞ」

「どれ……」

俺も一緒になって客席を覗くと、綾乃がユニコーンみたいな角の鬼に
絡まれていた。

「わー!勇儀さん、やめてくださいってばー!」

「ははは、少しぐらいいーじゃないか。酒の相手は多い方がいいしな」

「妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい……」

「ぱ、パルスィちゃん~!そう思うならたすけてー!!」

「綾乃さん、スイマセン・・・助けに行くのは無理です。主に、
 さとりちゃんが可愛すぎて~♪」

「・・・この人間、心を読むと危険な気がするわ」

「小鳥さんのうらぎりもの~~!!」

……カオスだ。

「絆殿、綾乃殿を助けに行かなくていいのでしょうか?」

「・・・放置でいいだろう。ほら、貴音も響ももうすぐ出番だぞ」

「はい」

「はーい!」

綾乃の尊い犠牲を胸に、俺はステージを成功させようと思った。


「はーい!みんなー!今夜はプリズムリバー三姉妹&……なんだっけ?」

「765プロだ!」

「そうそう。外の世界からのゲスト、765プロによる年末ライブにようこそ!」

「今日はみんな楽しんでね~♪」

「それじゃ、お兄さんも一言」

おい、聞いてないぞ。えーと……。

「あー、俺から言う事は無い。・・・とにかく!俺達の演奏と、こいつらの
 歌を聴け!!一曲目、『THE IDOL M@ATER』!!」

曲のスタートと同時に春香達がステージに駆け出していく。そして、歌い出す。

もう伏目がちな 昨日なんていらない
今日これから始まる私の伝説♪
きっと男が見れば他愛のない過ち
繰り返してでも♪

「……すごい」

「あら、どうしたの霊夢。ポカンとしちゃって」

「素直に感心してるの。春香・・・いや、他のみんなもすごい」

「ああ、あいつら本当にすごかったんだな。ちょっと紫の事を疑ってたん
だが、悪かったよ」

「ふふふ。ねっ、連れてきたくなるのもわかるでしょう♪」

『それとこれは別』

ほんの些細な言葉に傷付いた
だけど甘い物食べて幸せよ♪
気まぐれに付き合うのも大変ね
悪いとは思うけどやめられない♪

「わー!なんかよくわかんないけど、すげえ!!」

「チルノちゃんじゃないけど、本当にすごくキレイ・・・」

「人間でもあんな風に楽しく、激しく歌えるのがいるんだ~!」

「あのミスティアが褒めるんだからすごいね!」

「キズナもみんなもカッコイイーのかー!」

ええ・・・今すぐ行きたい場所があるのです・・・
さあ 誰もいない海に連れて行ってね♪
でもね日焼けはダメよ 次の仕事あるから
車を出してよ♪

「咲夜、手が止まってるわよ」

「・・・えっ?あっ、申し訳ありません!?」

「うわ~!リツコ、可愛いー♪」

「むきゅ、驚いたわ。あの子本当にプロの歌い手だったのね」

「ふむ・・・あの演出、私の人形劇でもやってみようかしら」

プライベートがないのはつまらない
遊びたい時あるのよ アイドルも♪
人に知られず内緒でハジけたい!
普通の女子と違うの知ってるし♪

「やよいって、歌ってる時あんなにキラキラしてるんだ・・・。
うう、貧相とか言ってゴメンよ~」

「はっ!?こ、この私が、シャッターを切れなかったですと!?」

「さすが私の生き別れの妹!すごいもんだね~!」

「お空、だから違うって言ってるでしょ……」

うーん 人気者になりたいのは当然♪
まあ お金だってあれば嬉しいものだわ
それが目標だから遠慮なんて禁物
結果がすべてよ♪

「へえ、今の外の歌は熱いね。心にガンガン響くよ」

「あの貴音って子、只者じゃなかったわね。ふふっ、私よりずっと
 お姫様じゃない♪」

会社勤めはおそらく向いてない
お茶を汲むのもコピーもイヤだから♪
タイムサービス バーゲン行きたいな
自信あるのよ お得な買い物は♪

「おわっ!?早苗、泣いてるのかい!?」

「だ、だって~!いつもTVでしか見た事無かったのに、こんなに近くで
 歌っているんですよ?!もう、大感動です!奇跡です!!」

「あーうー!早苗が壊れた~!」

新しい物大好き 詳しいの
機嫌取るには何よりプレゼント♪

男では耐えられない痛みでも
女なら耐えられます 強いから!


……あれ?曲が終わったはずなんだがものすごくシーンとしている。

「・・・すごかったわよ!春香!」

「美希ー!おまえもすげーじゃないかー!見直したぜー!」

霊夢と魔理沙の声を皮切りに、俺達は一斉に拍手と歓声に包まれた。

「はあ、はあ・・・プロデューサーさん!出だしは大成功です!!」

「くぅ~~!こんなにいい演奏はひっさびさー!テンション上がってきた!」

「まだまだいくわよ~♪」

「ふう・・・お兄さん、ぐっじょぶ」

どうやら、スタートはよかったみたいだ。よしっ!

「まだまだ、これからだ!みんな、次いくぞ!」

『おーー!!!』


……それから何時間経ったろうか。

俺の周りには酔っ払い達が死人の様にぶっ倒れて寝ている。
つーか、妖怪のヤツラは見た目より年齢いってるからいいとして、
霊夢や魔理沙はどう見ても未成年なのにガンガン酒を飲んでいた。
まあ、こっちは常識がちょっとおかしいから、いいのかもな。

「あら、貴方はまだ起きているのね」

「ん……まあな」

ちなみに、今は俺と紫しか起きていない。コイツが何かしたんだろう
けど・・・。

「ん~・・・キズナ~」

「ふふっ、本当にルーミアと親子みたいよ」

ルーミアは俺の足を枕に寝ている。親子って、こいつのが年上じゃ
ないのかよ。

「……春香達にまで酒飲ましたの誰だよ。外の世界なら大騒ぎになってるぜ」

「こっちの世界だからいいのよ♪それより、あなたも眠いんでしょう、
 寝ていてもいいのよ?」

「……その間に俺達を元の世界に戻す気なんだろ。全部、夢だったって
 オチで」

「・・・ビックリするくらい勘がいいのね」

まあ、何となくそんな気はしていた。しっかし、眠い。

「こいつらは……俺達の事、覚えてるよな……」

「ええ、それは大丈夫よ。何か伝える事でもあるかしら」

「……霊夢に、礼を言っておいてくれ。こっちに来てからずっと助けて
 もらったしな……あと、ルーミアにも。食われかけたけど……コイツに
 会わなかったら、みんなを見つけられなかったからな……」

やばい、そろそろ……限界が近い……。

「必ず伝えるわ。そうだ、あなたにお土産を持たせてあげる」

今にも寝落ちしそうな俺の手に何かを持たせた。

「ん……盃(さかずき)か?」

「そうよ、家にあった一番良いのをあげるわ。大切にしてね……」

「ああ……そう、する」

まぶたが・・・勝手に下りてくる。


・・・盃はね、『絆』の意味で用いることもあるのよ。貴方の名前にもある
それを・・・大切にしなさい。


最後の方はうまく聞き取れなかったが・・・かろうじて頷く事はできた。


…………それじゃあ、おやすみなさい。よいお年を。


本当に意識が無くなる手前、一瞬だけ目を開けてルーミアを見れた……。

ものすごく……幸せそうに眠っていた……じゃあな、ルーミア……。


……

…………

………………


『あけましておめでとうございまーーす!!2010年元日の朝、
 元気ですかー!!』

「……ん。あれ・・・朝か?」

やばい、除夜の鐘聞きながら寝ちまったのか。なんだか、長い間寝ていた
様な気がする。

「あー・・・そばがクトゥルフ神話に出てくる邪神みたいになってる。
 さすがにもう食えないし、さっさと片付けるか」

そんな独り言を言いながらテーブルの上を片付けていると、その中心に
見た事も無いモノが置いてあった。

「なんだこれ?・・・盃か。なんでウチにこんな洒落た物があるんだ」

俺が買うわけないし、誰かに貰ったのかな。……貰った?

「誰かに・・・これを貰った様な気がするんだが。うーん、思い出せない」

しかし、キレイな漆塗りの盃だな。

「事務所の神棚にでも飾るか。俺の家にあっても勿体無いし」

とりあえず、その盃を布で包んで大切にしまっておく事にした。

……何かを忘れている様な気がするんだが、結局思い出せないままだった。


それから数日後。

「おはよう、みんな」

「プロデューサーさん、あけましておめでとうございます!」

「プロデューサー、今年もよろしくお願いします」

「あけおめなの?♪」

事務所に入って最初に見かけたのが春香と千早と美希だった。

「ハニー!会いたかったよ~!」

あ~、こうやって美希に引っ付かれるのも久しぶりだ。

「はいはい、おめでとう。まあ、今年もいつもどおりヨロシクな」

「え~?ミキはもっとハニーとラブラブになりたいのに~」

「新年早々に疲れさすな」

「あっ、黒崎君。おはよう、それとあけましておめでとう」

「ああ。綾乃もよろしく。で、今は何してるんだ?」

何やら衣装の箱を持って忙しそうにしている。

「ちょっと、黒崎君。年明けのライブがあるの忘れちゃったの」

「あっ、悪い。すっかり忘れてた」

「プロデューサーさんてば、お正月ボケですか?」

「春香じゃあるまいし、それは無いと思うけれど。・・・プロデューサー、
その袋はどうしたんですか?」

千早が俺の持っているコンビニ袋を指差していた。

「ああ、これか。何故かは知らないんだけどさ、急にチョコが食べたくなって
 いっぱい買っちまった」

「バレンタインには一月早いと思うけど?」

「なになに?そんなにミキからのチョコが欲しいの?」

「違うって。・・・でも、なんで急に食べたくなったんだろうな?」

甘いものは嫌いじゃないが、こんなに食べたくなった事は無いんだがな。

「そうだ。春香ちゃん達の新しい衣装が届いてるはずだから、あっちの部屋で
 試着してもらえるかしら」

「はーいなの。いこ、千早さん、春香」

「それじゃあ、また」

「どんな衣装かな?ちょっと楽しみ♪」

春香達は衣装部屋へと消えていった。残った俺はとりあえず買ってきた
チョコを一つ食べる事にした。

「ちょっと~、仕事しなさいよ~」

「これ食ったらな。……やっぱり、何か忘れている様な気がする」

「えっ?黒崎君もなの」

綾乃が驚いた様子でこっちを見ていた。

「あのね、私や小鳥さん、春香ちゃん達もそんな事を言っていたのよ。
何か、大事な事忘れてるんじゃないのかな~って」

「そうか。何だろうな・・・初夢の事とか?」

「初夢……そういえば、ちょっと変わった夢を見たわね。あのね、お酒好きな
 鬼さんに私が延々と絡まれてるの」

「すげえ夢だな。来年の話でもしたのか?」

「うーん、分からない。本当、変な夢だったわ」

……うまく説明できないが、その光景を見た事がある様な気がする。

「黒崎君はどんな初夢を見たの?」

「俺は……全然覚えてないんだ。でも、コレが関係あると思うんだけどな」

そう言って、俺は食べかけのチョコを見た。なんだっけな……。

「あの、綾乃さん。着替えてきたんですけど・・・」

「あら、意外と早かった・・・のね?」

綾乃が着替えてきた春香達を見て固まっていた。まあ、俺もだが。

「美希の魔女っぽい服はいいとして、春香と千早の巫女服は何で
 そんなに脇が寒そうなんだ?」

「わ、私に聞かれても困ります。でも、何故かこの服着た事がある様な?」

「あ、千早さんも?ミキも同じなの。でも、これすっごくカワイイの♪」

「そういえば・・・私、初夢で神社で働いている夢を見たよ」

「春香も?私もそんな夢を見た様な気がするの。なんか不思議・・・」

そんな偶然があるもんだな。しかし、三人ともよく似合ってるな。

「そうだ、プロデューサーに見てもらいたいものがあったんです」

千早が俺に渡してきた紙には、何やら詩の様なものが書かれていた。

「これ・・・お前が書いたのか?」

「はい。私、こんな風に詩を書いた事などないのですが・・・
 さっき言っていた初夢を見た後に、この詩が急に浮かんできたんです」

「風は天を翔けてく、光は地を照らしてく・・・人は夢を抱く、
 そう名付けた物語・・・。へぇ、悪くないじゃないか。むしろ、俺は
 かなり気に入ったぜ」

「あ、ありがとうございます!」

「千早ちゃん、すごいのね。ねえ、この詩の題名は?」

俺は先に書いてある題名に目を通したので知っている。でも、何故かこの
題名には惹かれるものがあった……。

「はい、『arcadia』です」

arcadia、理想郷か……。

「この詩、さっそく作曲家の先生所に持っていこうぜ。きっといい曲になる
 はずだ」

「ほ、本当ですか、プロデューサー?」

「千早さん、やっぱすごい人なの!」

「本当だよ~!千早ちゃんすごい~!」

おっと、俺も忘れる前に……。

「黒崎君、何してるの?」

「それは・・・盃ですね」

「そうだ。誰かに貰った物だと思うんだが、大切にしてくれって言われた
 様な気がしてな」

俺は事務所の神棚に持ってきた盃を置くと、手を合わせた。

「ハニー、いいの?大切な物じゃないの?」

「俺の家に置くよりはこっちのがいいさ。何となくだけど、ご利益
 ありそうだし」

「そっか。じゃあ、ミキもお祈りするね」

「せっかくだから私達も」

美希達はさっき俺がやった様に目を閉じ手を合わせていた。

「さて、それじゃあ今年の仕事始め、頑張るとするか!」

『はいっ!』

「よし、がんばろー!」

きっと今年も忙しいだろうが、こいつらと一緒なら何とかなるだろう。
そんな事を思いながら、俺も仕事を始める事にした。



約束を守ってくれて、ありがとう……。貴方達に幸運が訪れますように。


おわり。
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