春屋

こちらはゲーム「THE IDOLM@STER」「東方project」を応援しているサイトです。管理人のプレイ日記や、SSが置いてあります。
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やよいSP編 第五話 「オーディション&トラップ」

こちらはアイマスSPのSSになっています。
続きものになっていますので、左にあるカテゴリの
「アイマスのSS やよい編(SP)」に前回までの
お話がありますので初めての方はそちらからどうぞ。

今回は絆Pからの視点です。





IUの二次予選が一週間後に迫ったある日。

「おーい、やよい。次の予選の内容が送られてきたぞ」

「はーい!でも、なんか急ですね。予選まで一週間なのに」

言われてみれば確かに。でも、ギリギリまで言わないのも予選の内
なのかもしれない。

「まあ、みんな同じ条件なんだしやるしかないさ。ちなみに、今回の
 予選はダンス中心。しかも、1時間ぶっ通しの一発勝負だ」

「うわ~、大変そうです。でも、持久力には自身ありますー!」


「それに関しては俺も心配ないと思ってる。問題は、ダンスの技術だな」

やよいのダンスは悪くは無い。……だが、少々荒っぽいというか、勢いで
押し切ってる感があるんだよな。大きなステージではその方が見栄えが
いいんだけど。

「とにかく、レッスンあるのみだ。今回は助っ人も呼んでおいたから
大丈夫なはずだ」

「はい!でも、助っ人って誰なんですか?」

「ウチでダンスできる奴っていったら、アイツしかいないだろ」


……しばらくして、レッスン場。


「よし!今日はガンガン教えていくから!がんばっていこうね、やよい!」

「はーい!真さん、よろしくおねがいしまーす!」

そう、助っ人とは真だ。765プロの中じゃこいつが一番だろうしな。

「それにしても悪かったな。お前も自分の仕事で忙しいだろう」

「いいんですよ、プロデューサー。それにこの前も言ったじゃないですか。
 プロデューサーのおかげで今のボクがあるんです。女の子らしいとか
 男っぽいって事を気にならなくなったのはプロデューサーのおかげです。
 だから、今度はボクが助けてあげる番ですよ。もちろん、やよいにも
 勝ってもらいたいからね!」

「ホント、ありがとうな」

「真さん、私もありがとうございます!」

やれやれ、真たちに恩返しされるとは思ってもなかった。
でも、悪い気はしない。

「さて、やよいは細かいステップが苦手みたいだから、ソコを重点的に
 練習していこうね」

「はい!」

……しかし、レッスンが始まっちまうと俺はあんましやる事が無いな。

「仕方ない、しっかりとやよいが頑張ってる所を見てるとするか」

まっ、何か気が付く所があるかもしれないしな。


……それから一時間ほどして。

「はあ、はあ・・・ちょっと休憩しようか」

「はい~。はふぅ、ちょっとだけ疲れました~」

「・・・ちょっとだけなのかよ」

ほとんど休み無しでダンスしてたのに……これが若さか。

「うーん、やっぱり細かい所でミスが出ちゃうね」

「うう~、すいません~。ミスしないようにって意識しちゃうと~……」

やよいのやつ、ミスを意識しすぎてるせいで逆にミスを作ってるみたいだ。
ずっと見ていてそう思った。

「やっぱり、ちょっとづつ直していくしかないのかな?」

「でもでも!そんなに時間がないです~!」

「そ、そうだった。でも、どうすればいいのかな?」

やよいも真も手詰まりって所で、俺はある事を思いついた。

「真、ちょっと俺の上着持っててくれ」

「え?あ、はい」

「絆さん?何するんですか?」

「やよい、俺に合わせて踊ってみろ。俺と同じ動きができれば問題ない」

「プロデューサー、いきなりで大丈夫ですか。その、プロデューサーが
 ダンスもできるのは知ってますけど」

真の言うとおり、俺のダンスの腕はまあまあある方だ。だが……。

「俺にダンスの基本を教えたのはな・・・この前話したあの二人だ。
 『歌だけじゃつまらないから』って理由で無理やりに教え込まれた
 もんだけどさ、ここで役に立たなきゃ何時役に立つって事さ」

「プロデューサー……」

「心配すんな。あいつ等からのコピー品だけど、やよいならソレを
 自分のオリジナルにできるだろうからな。頼むぜ、やよい」

そう言って、いつもの様にやよいの頭を撫でてやった。

「はい!がんばります!」

「真、お前はミスが無いか確認しててくれ」

「わかりました!」


しばらくして、音楽が終わった。

「はあ、はあ、はあ……」

「ど、どうでしたか、真さん?」

「・・・あっ、ごめん。えっと」

「すごいじゃないか!ちゃんと間違わないで踊れていたぜ!なっ、真!」

俺は目線で『話を合わせろ~!』と送った。真もそれに気が付いて頷く。

「あ、そうそう!びっくりしたよ、やよい!」

「ホントですかー!だとしたら、プロデューサーのおかげですー!」

……よし、作戦成功。

「よし、それじゃあもう一回だ。次も俺の動きに合わせろよ」

「はーい!」


それから30分後。俺は……

「ぜー・・・ぜー・・・」

死にかけていた。

「き、絆さん~!大丈夫ですか~!?」

「ぜー・・・やよい、すっかり間違わないで・・・ぜー、踊れて」

「プロデューサー、それ以上はいけない……」

く、くそ、ここまで俺の体力が落ちているとは思わなかった。
それに俺は長距離は苦手だしな・・・。

「と、とにかく、今回の事を忘れない様にすれば大丈夫だ。
 ……でも、今日は終わりにしよう。俺がもたない・・・」

「は、はい。絆さん、真さん、今日はありがとうございました!」

「うん、やよいもがんばったね。それじゃ、先に着替えておいでよ」

「はーい!」

元気のいい返事をした後、やよいは着替えに行ってしまった。

「それにしても・・・プロデューサーもすごい事を思いつきましたね。
 『やよいがプロデューサーに合わせる』じゃなくって、
 『プロデューサーがやよいに合わせる』なんて事をやってのけるなんて」

そう、俺はやよいがミスした所まで完璧に真似して踊っていた。
おかげで普通に踊るより何倍も疲れてしまったが。

「やよいが俺の動きに合わしてくるなら、それを利用して
 間違いを少しづつ直していくって作戦だ。成功はしたが・・・
 俺の体力までは計算に入れてなかったぜ」

まあ、ちょっとやよいを騙してるみたいだけど、ちゃんと踊れるように
なっているし、とりあえずよしとするか。

「しかし、今日は本当に助かったよ。ありがとうな、真」

「何言ってるんですか、やよいがオーディションで勝ってくれるまで
 まだお礼は早いですよ!明日も明後日もがんばりますよ!」

「ははっ、頼もしい助っ人だよお前は。とりあえず・・・明日の俺は
 筋肉痛で動けないかもな」

「うーん……プロデューサーも鍛えてあげた方がいいかな?」

さすがに真の申し出は断ったが、真面目にジムでも通った方がいいかと
思った。はあ、俺も頑張らないと……。


そして、オーディション当日になった……。


「この前も来たけど、相変わらずでかい会場だよな」

「でも、この前よりもかなり人が減りましたね」

やよいの言うとおり、この前は会場が狭く感じるくらいの人だったが、
今回は結構な余裕がある。

「それだけ前回で落とされたって事だ」

「うう~、私は大丈夫でしょうか~?」

「心配しなくても平気だ。どうせ、決勝はやよいと美希達だろしな」

「すげえ自信だな、クロサキ」

声がした方へ振り向くと、星一郎と麻耶姉が立っていた。

「星一郎さん、麻耶さん、おはようございまーす!」

「うふふ。本当にやよいちゃんは元気が良いのね。TVで月華と見ていた
 けれど、やよいちゃんを見ているとこっちも元気になるわ」

「さて、二人とも調子は良いみたいだな」

「当たり前だ。まだ二回戦なのに躓いていられるかよ」

「そうか。ちなみに美希ちゃん達はもうスタンバイ完了してるぜ。
 やよいちゃんは行かなくていいのか?」

おっと、もうそんな時間なのか。

「やよい、控え室行って準備して来い。俺も席から応援してて
 やるからな」

「はい!それじゃあ、いってきますの……ハイ!ターッチ!いえい!」

やよいは俺とハイタッチを交わし、控え室の方へと元気に駆けていった。

「転ぶなよー。・・・って、春香じゃないし平気か」

「そんじゃ、俺達も行くわ」

「また後でね、絆君」

「ああ、またな」

俺もオーディションのステージへ向かおうとすると、星一郎が俺の首に
腕を回してきた。

「なんだよ・・・加齢臭がするからやめてくれないか」

「しねえよ!……クロサキ、あの黒井社長には気を付けた方がいいぞ。
 マジで裏で色々やってるみたいだからな」

そういえば、ウチの社長もそんな事を言っていたな・・・本当だったのか。

「あのね、私としても絆君とは正々堂々と戦いたいの。だから、何かあったら
 言ってね」

「わかったよ、一応気をつける……」

「うん。それじゃあ、今度こそ行くわね」

「んじゃな、クロサキ」

星一郎と麻耶姉は手を振りながら行ってしまった。


「ふう……それにしてもどうしたもんかね」

さっき言われた事を考えながら歩いていると、目の前から会いたくない
変な格好のおっさんがやって来た。

「ウィ……765プロの黒崎くんじゃないか。こんな所でヒマそうにしていて
 いいのかい?」

くそう、喋り方がムカつく。このおっさんの存在がムカつく。

「それはこっちのセリフだ。もうすぐオーディション始まるのに
 見ていかないのかよ、黒井のおっさん」

「おっさんではない!・・・フン、彼女達には先ほど声を掛けてきた。
 それだけで十分だろう。いいかい、私は勝つまでの過程などに興味は無い。
 勝利という結果だけが欲しいのだよ」

「あーそうかよ。俺はそんな風に思わないから見ていくぜ、おっさん」

改めて『おっさん』を強調してやると、俺の事を睨んできた。もちろん、
俺も負けずに睨み返す。

「……まったく、貴様を見ていると昔のあの男を見ている様で腹立たしい」

あの男って・・・高木社長の事か?

「まあいい。私はこれで失礼するよ。我が961プロの妖精達に負けない様に
 がんばってくれたまえ……では」

それだけ言い残して黒井のおっさんは去っていった。本当に殴ってしまいたい
くらいに腹の立つおっさんだぜ。

「さてと、気を取り直してやよい達のオーディションを見に行くか」

言ってやりたい事はたくさんあったが、とりあえず今は忘れておこう。


オーディションが行われるホールに入ると、この前よりも空気がピリピリ
している様に思えた。

「……すげえ緊張感」

俺が出るわけじゃないんだが、そんな事を呟いてしまった。
さてと、そろそろ始まる時間かな……。

「あー、テステス。お待たせいたしました。これからIU二次予選を
 始めたいと思います。まず、今回の審査委員代表である軽口哲也様から
 今回のオーディションの説明があります」

「紹介ありがとう!俺が軽口だ!今回のルールは至ってシンプル、
 ただひたすらダンスを見せてくれればいい。しかしっ!!ただ、
 踊っていれば良い訳じゃなーい!俺達審査員は細かいダンスの技術も
 見ているのでそのつもりで……以上!」

あの審査員はいつもと変わりないのでちょっと安心した。むしろ、こんな
でかいオーディションでもいつもどおりな事を称えるべきなのか……。

「それじゃあ……ミュージック、スタートだ!!」

そして唐突に始めやがった・・・アンタすげえよ。

さて、ここからは見ているだけなんだが。最初は速いテンポの曲だな。
やよいは……大丈夫みたいだな。音も外してないし、ステップとかも
心配無い。美希達もさすがといった所だ。

「へー・・・響の奴、真に負けない位ダンス上手かったんだな」

「あら、765プロのプロデューサー君じゃない?」

いきなり隣に座っている女の人に声を掛けられて驚いたが、よく見ると
善永さんだった。

「あ、どうも。今日も取材ですか」

「そうよ。もちろん、高槻さんも取材対象だけど……961プロの子達も
 中々ね」

ふむ、善永さんがそれだけ言うんだから、やっぱ響も貴音もあなどれない
存在だよな。

「……そうだ。善永さん、悪徳の野郎の連絡先知ってますか?」

ちなみに、悪徳って奴はある事ない事書きまくるゴシップ記者だ。

「知ってはいるけれど・・・どうするの?」

「ちょっと面白そうなネタがあるんでな。あいつを利用すればもっと
 情報が集まるかなって」

「ふーん。さては黒井社長が裏でやっている事かしら」

……さ、さすが敏腕記者。速攻でバレたし。

「わかったわ、それとなくそんな話を流しておいてあげる。エサに
 食いつくかどうかは向こう次第って事で」

「助かります。……あれ?」

ふとステージで踊っている貴音に目をやると、この前のステージと違って
動きが変な気がした。

「四条さんがどうかしたの?」

「いや、ちょっとな」

もしかしたら体調でも悪いのか。大丈夫か……って、俺はアイツの
プロデューサーじゃないってーの。


その後、出場者の半分近くが途中で脱落したものの審査は無事終了した。
当然、やよいや美希達は最後まで残った。


「プロデューサー!見ててくれましたかー!」

「ああ、しっかり見ていたさ。よく頑張ったな」

と、いつもの様に撫でてやる。こうしてやるとホントにやよいは
小動物みたいだな。

「あっ。でも、まだ合格したかは分からないんですよね」

「合格してるさ。・・・ほら、そろそろ合格者が発表されるぜ」

前回同様、合格者がモニターに表示されていく。

「ほら、やよいの番号があったぞ。まっ、当然だけどな」

「やったー♪今回も勝てましたー!」

「おめでとう、やよい。でも、今回は真や他のみんなにも感謝しないと
 いけないな」

「はい!帰ったら、みんなにお礼言わないとですね~♪」

本当に今回はみんなに助けられたな。俺だけだったら勝てなかったかも
しれないしな。

「おー!やよい、今回も残ったのか!やっぱ、かわいいだけじゃなくって
 すごいんだなー!」

「よう、響。お前らも合格おめでとう。・・・って、美希、大丈夫か?」

「あふぅ、もうクタクタなの~」

そういや、一時間ぶっ通しでダンスしていたのにやよいと響は元気だな。
……正直、マジですげえ。

「……」

「ん?貴音、どうかしたの?」

「い、いえ。何でもないのですよ、美希」

「でも、何だか顔が赤いの」

美希の言うとおり、貴音の顔がちょっと赤い。もしかして……。

「貴音、ちょっと悪い」

俺は貴音のおでこに手をやった。

「あ、あの!?」

「こらー!貴音にセクハラするなー!」

「響、黙ってろ」

「は、はい・・・」

「……貴音、お前熱があるぞ。なんで言わなかった」

「それは・・・その・・・」

まあ、貴音の性格からして言わないだろうけどな。なんか、ウチの
ちーちゃんみたいだな。

「た、貴音~!なんで言ってくれなかったんだよ~!」

「そうなの。倒れちゃったらどうするの?」

「ごめんなさい。でも、これくらいで休むわけに・・・」

と、言いかけたところで貴音がふらついたので、俺がすかさず
体を支えてやった。

「あっ・・・」

「貴音さん!?大丈夫じゃないですよ~!」

「おい、響。医務室の場所分かるか?」

「う、うん」

「あの、少し休めば大丈夫ですから。そんなに心配なさらなくても……」

「やかましい」

俺は有無を言わさずに貴音の事を抱きかかえた。
いわゆる『お姫様抱っこ』の状態だ。

「えっ!?あのっ!?」

「黙ってろ。言う事聞かない奴は強制連行だ。ほれ、響。さっさと案内しろ」

「お、おう。分かったぞ」

その後、俺達は貴音を強制的に医務室へと運んでいった。

しばらくして、医務室に星一郎と麻耶姉もやってきた。

「悪いなクロサキ。俺達が面倒見なきゃいけないのにさ」

「でも、本当に助かったわ。ありがとうね、絆くん」

二人とも申し訳なさそうにしていたが、俺は気にしてなかった。

「いいって。言わなかった貴音にも原因はあるんだし」

「うう、申し訳ありません・・・」

「でも、大した事なくってよかったぞ」

「うんうん。ミキも心配したの」

「私もです~」

「その……本当にごめんなさい」

貴音は本当に申し訳なさそうに頭を下げていた。

「しかし、クロサキはよく分かったな」

「オーディションの時、この前見た時ほどダンスにキレが無かったしな。
 それにプロデューサーなんて仕事やってると、アイドルの体調管理も
 大事だからな」

「わ~。絆くんすごい~」

さてと、貴音はちょっと疲れが溜まっていたせいで熱が出た程度なので、
ゆっくり休めば大丈夫だそうだ。なら、今の内に聞きたい事を聞いて
みるか。気になる事もあるし。

「・・・なあ、貴音。お前は何でアイドルをやっているんだ。
 こんな状態になってもやり続ける大事な理由があるんだろ」

前に貴音はこう言った……

『私にはどんな事があっても果たさなければいけない使命があります』

俺はその言葉がずっと気になっていた。

「……そうですね。あなた様と高槻やよいにはあの時もお世話に
 なりましたし・・・お話致します。響や美希には一度お話しましたが、
 星波夫妻のお二人にはまだ伝えていませんでしたね」

「うーん。知りたいのは山々だけど、いいのか?」

「そうね。無理に話さなくてもいいのよ」

星一郎と麻耶姉がそう言ったが、貴音が静かに首を振った。

「あの、初めに言っておきたいのですが。私のお話しする事はすべて
 真実ですから、信じてくださいね」

「心配するな。そういうややこしい事情の奴は765プロにも結構いるし。
 お前が何を言っても信じてやるよ」

「ありがとうございます。それでは、お話致します……」

さっきよりも顔色がよくなった貴音は深呼吸を一つした後、
俺達に語り始めた。

「まず、私の事からお話しなくてはいけません。私は……今は無きとある国の
 王家の血を引いています」

「……」

「おい!さっき信じるって言ったのになんだその目はー!」

「あ~・・・いや、貴音がウソを言っていないのは目を見れば分かる。
だけどよ、あまりに衝撃的な事態にどうしていいものか……」

星一郎も麻耶姉もウンウンと頷いている。さすがにこれは想定外。

「悪かったな、貴音。続けてくれ」

「はい。私は色んな国々へ散ってしまった国民達に少しでも勇気や希望を
 分け与えたいと思っているのです。この国に来てからは四条の家で
 お世話になってどうすれば良いのかと模索していた所、黒井殿に
 声を掛けて頂いたのです。それでアイドルになって私の姿をその国民達に
 見せてあげればいいと……そして、現在に至ります」

「た、貴音さん、なんかすごいです~!」

「やよいちゃんの言うとおりだぜ。貴音ちゃん、すごいもんだよ」

「本当ね。・・・絆くん?どうかしたの」

俺は何も言えなかった。まだ16,7の女の子がそんなもん抱えて歌っていた。
何の理由も無く、ただ食う為だけに歌っていた俺とは全然違う。
それは春香や千早達を見ていても思っていた事だが、歌に込められている
思いの違いに……何だか居心地が悪くなってしまう。

「あの、どうしたのですか。私が何か……」

「ん……何でもないよ。話してくれてありがとうな。それじゃ、また体調が
 悪くなったら大変だから、俺達は帰る。お大事にな、貴音」

俺は貴音の頭を軽くポンと叩いて医務室を後にする事にした。

「えっと、貴音さん。早く元気になってくださいね」

「はい。あなた様方には本当に感謝を……ありがとうございます」

「やよいー、またなー♪」

「えっと・・・プロデューサー、やよい。バイバイなの」


会場を出た後、俺はしばらく考え事をしていた。

「……はあ」

「あの~、絆さん。元気ないですけど大丈夫ですか?」

「あ、ごめんやよい。ちょっと考え事しててな。さてと、今日も勝ったし
 何か食べて帰ろうぜ」

「・・・絆さん!」

「は、はい?」

いきなりやよいが怒った様な声で呼び掛けてきたので驚いてしまった。

「その!・・・えっと~、絆さん!何か辛い事があるなら言ってください!
 私じゃ頼りないかもですが・・・でもでも!話してください~!」

うっ、しまったな。やよいは変に勘がいいから俺がさっきの事を
考え込んでる事がバレてしまったみたいだ。

「いや、大した事じゃないんだぞ」

「うう~!」

これはダメだ。やよいはこうなるとテコでも動かないからな……。

「本当に大した事じゃないんだけどさ・・・さっきの貴音の話さ」

「貴音さんのお話ですか?」

「すごいよな、あんな大きなモノ背負って歌ってるなんて。貴音だけじゃない、
 やよいだって春香達だってそれなりのモノを背負ってる。それがすごいなって
 考えちまってな……」

俺も何でだろうな。やよいにはあんま他の人に見せたくない部分も
話しちまうんだよな。まあ、イヤじゃないけどな。

「俺にはそんなもの無かったからな。ちょっとさ、羨ましいのかもな」

「絆さん……」

「心配するな。そんな俺でも、誰にも譲れない目標が今はある」

俺はやよいの方へ振り向き、しっかりとやよいの目を見て言った。

「お前をIUで優勝させる事だ。これは譲れねえし、邪魔させない。
 これが・・・今の俺の目標だ!」

「き、絆さん……うう~!ありがとうございます~!!」

ガバッと軽く涙目になっているやよいが俺に抱き付いてきた。

「おっと。なんだよ、泣くほどの事か?」

「だってだって~!す~~っごく嬉しいんです!私、貴音さんにも
 響さんにも、美希さんにもぜーったいに負けません!!
 頑張りましょうね、絆さん!」

「ああ。俺達だけじゃ大変かもしれないけど、俺達みんなでやれば何とか
 なるさ!俺も最大限の努力はする。だから、やよいも頼んだぜ」

俺はやよいの方へ手を差し出す。

「はい!それじゃ、いつもの・・・ハイ!ターッチ!いえい!!」

俺とやよいのハイタッチする音が静かな夕暮れに響いた。

さあ、これで俺は負けられない。俺はやよいと……いや、765プロみんなとの
約束を破らないためにも、必ずIUで優勝しようと改めて決意した。

まっ、今の俺とやよいなら負ける気はしない。・・・なんてな。

つづく。
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こんにちは!

風邪大丈夫ですか?無理なさらないで、くださいね。何気にワンダリングスターを少ししかプレイしてないので、お姫ちんの背負ってるものを初めて理解しました。むむむ・・・ワンダリングスターをやらなければと思いましたねw

そして、本当に黒崎Pはプロデューサーとして、万能ですね。K.Mプロの小田桐Pに見習ってほしいですw

それでは、これからもお互い頑張りましょう&よろしくお願いします!
【 2010/03/02 】 編集
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