春屋

こちらはゲーム「THE IDOLM@STER」「東方project」を応援しているサイトです。管理人のプレイ日記や、SSが置いてあります。
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やよいSP編 第8話 とある一日の出来事 (絆編)

こちらはアイマスSPのSSになっています。
続きものになっていますので、左にあるカテゴリの
「アイマスのSS やよい編(SP)」に前回までの
お話がありますので初めての方はそちらからどうぞ。

今回は絆さんの視点です。



ミーンミーンミーンミーンミー!!

「はあ、セミがやかましいぜ」

俺は出先から事務所へ戻る道を歩きながら、セミに愚痴をこぼした。

「それにしても……黒井のおっさん、どうしてくれようか」

俺は少しイラつきながら、この前の予選の後の事を思い出していた。


……

…………


「うう~・・・ひっく・・・うう~」

俺とやよい、綾乃は目の前で泣いている雪歩に驚いていた。
確か、貴音の所にメルアドを聞きに行っていたはずなんだが。

「雪歩、どうしたんだ?」

「プロデューサー・・・」

「雪歩さん、何があったんですか?」

「二人ともちょっと待って。雪歩ちゃん、落ち着いてからでいいわよ」

「あ、ありがとうございます、綾乃さん・・・」

それから、少し時間を置いてやっと話を聞ける状態になった雪歩が
少しづつしゃべり始めた。

「私が貴音さんの所に行ったら・・・そこに黒井社長がいて、四条さん達が
 すごく怒られてたんです」

「なんで?あいつ等、今日も余裕で合格してただろう」

なんだかんだで、やよいよりも順位が上だったはずなのに。

「それが・・・うう・・・やよいちゃん達を落とせなかったからだって」

「うわ、そんなくだらない理由で貴音ちゃん達を怒ったの」

綾乃が呆れているが俺も呆れてしまった。

「雪歩さん、麻耶さんは何も言わなかったんですか?」

「麻耶さんは・・・『なんで水着着てるんだ』って怒られてました」

……すまん、麻耶姉。どんなに頑張っても弁護できねえ。

「私、それでつい出ていって言っちゃったんです。四条さんや美希ちゃんや
 響ちゃんはみんながんばってたって・・・」

「えらいわね、雪歩ちゃん」

「ああ、えらいな」

俺と綾乃は二人で雪歩の頭を撫でてやった。だって、引っ込み思案な雪歩が
他人の為にそんな風に言い返すなんて、前は考えられなかったしな。

「えっと、そしたら・・・黒井社長にこう言われたんです……」


『ふんっ・・・誰かと思えば765プロのアイドルか。これだけは
 言っておく・・・私が求めるのは勝利だけだ!お前達765プロの様な
 馴れ合いの集団にはトップは取れん!』


「それで・・・私、何も言えずに戻ってきちゃって・・・」

そう言って、雪歩はまた泣きそうな顔で俯いてしまった。

「そうなんですか~……わわっ!き、絆さんの顔がものすごく怖いです!?」

「黒崎君、怖い顔がさらに怖い顔になってるわよ」

「むっ……悪い。でも、そんだけ腹が立ってるんだよ。・・・なあ、雪歩」

「は、はい!?」

いや、そこまで怖がらなくてもいいだろう。・・・ヘコむぞ。

「心配するな。お前の仇は俺とやよいが取ってやる。だから、もう泣くな」

「はい!私、すっごく頑張りますから!雪歩さん、応援しててくださいね!」

「プロデューサー・・・やよいちゃん・・・うう~、ありがとうございます~!」

「あらら、また泣いちゃった」



……しかし、黒井のおっさん。なんであそこまで765プロを目の敵にするんだ。
そういや、ウチのおっさんと昔からの知り合いだったな。

「事務所に戻ったら社長に聞いてみるか。……ん?あそこにいるのは」

道の向こうにすごく見覚えのある金髪を発見。まあ、もしかしなくても
あいつだろうな。

「あっ、やっほー♪プロデューサー♪」

「美希・・・こんな所で何やってるんだよ?」

木の影に入ってアイスを食べていた美希が、いつも通りといった感じで
手を振っていた。

「ん?何って、プロデューサーを待ってたの」

「そうなのか。って、今日は休みなのか」

「ううん。午前中はレッスンばっかりで疲れちゃったの。だから、午後は
 お休みなの」

・・・サボってるんじゃないよな。

「そんな事よりもプロデューサー。ちょっとミキに付き合ってほしいの♪」

そう言うと、美希の奴は勝手に俺の腕をグイグイと引っ張り始めた。

「ちょっと待てよ。俺は仕事の出先から戻る途中で、まだ仕事中だ」

「ふーん……それならプロデューサー、ちょっとゴメンなの~♪」

「うおっ、勝手に人の上着に手を突っ込むなよ」

「ん~と・・・あったの~!」

と、美希が俺から奪ったのは携帯電話。

「ケータイ取り出しポパピプペ~♪……もしもし、小鳥?久しぶりなの♪」

どうやら765プロに掛けてるみたいだが・・・何する気だ?

「あのね、ちょっとの間プロデューサー借りるね♪それじゃね~♪」

ピッ。

「はい、これ返すね」

「……お前、なんて事しやがる。後で律子に2,3時間説教食らうのは
 俺なんだぞ」

あそこの床、硬いから痛いんだよな~……。

「それはちょっとゴメンなの。でも、ミキに付き合ってくれたら、とっても
 いい情報を教えてあげてもいいよ♪」

「いい情報・・・ねえ」

それって、やっぱり961プロの事だよな。うーん、美希はこんなのだが嘘は
吐かないし……。

「わかったよ。どうせ、今から戻っても何言われるか分からねえしな」

「えっと・・・ホントにいいの?」

「お前のせいでこうなってるんだろうが。もう好きにしてくれ」

「ホント?ありがとうなの!ハニー!」

余程嬉しかったのか、このクソ暑いのに美希が俺に抱き付いてきた。

「嬉しいのは解ったから離れろ。暑いんだよ」

「別にいいの~。ミキに付き合ってくれるって言ったんだから、
 今日はミキだけのハニーなのー!」

・・・判断を誤ったかな?やれやれ。

「はあ、もうどこでも連れて行けよ。・・・ん?」

「どうかしたの、ハニー?」

「いや、さっき向こうの通りをやよいと響と貴音が歩いてた様な」

しかし、妙な組み合わせだな。まあ、やよいも今日は休みだし、偶然
出会って遊んでるのかもしれないな。

「ほら、そんなのどうでもいいからこっちなの~!」

「はいはい、分かったからそんなに腕を引っ張るな」

さて、どこに連れて行かれるやら……。


「とうちゃーく、なの!」

美希に引っ張りまわされる事30分。連れてこられたのは遊園地だった。

「俺を連れてきたかった場所って、ココなのか?」

「そうだよ。だって、ハニーとデートしたかったんだもん」

「・・・そういや、お前にそうやって呼ばれるの久々だな」

「え?あ~・・・ミキ、今は961プロにいるから。いまさらハニーって
 呼ばれるの、イヤだった?」

「別にそんな事はねえよ。今までちょっと他人行儀だったから、安心したぜ」

俺はそう言って美希の頭を撫でた。

「えへへ♪やっぱり、ハニーはやさしいね♪」

「うるさい。ほら、さっさと行くぞ」

中に入ると、夏休み中なのもあってか結構な人で賑わっていた。

ザワザワ。ザワザワ。

「人がたくさんなの。あれ?どうしたの、ハニー?」

「いや、さっきから視線集めまくってるな~と思ってな」

まあ、美希は遠目でも目立つからな。

「そうかな?別に気にしないの~。それに視線集めてるの、
 ハニーも同じだよ」

「え?なんで俺が?……まさか、誘拐犯とか父親に見られてるのか」

「う~ん、違うと思うの。ハニーってさ、自分がすっごいカッコいいって
 わかんないんだね」

そりゃあ、自分でそんな事思っていたらナルシストじゃねえか。

「ねえねえ、アレに一緒に乗りたいの~!」

「スターシップコースター・・・絶叫マシンか。お前、怖がる振りして俺に
 抱きつきたいだけだろ?」

「・・・ソンナコトナイノ」

ウソ吐くならせめて目を見て吐けよ。本当にウソが下手な奴だな。

「まあいいや。お前が乗りたいなら付き合うよ」

「わーい!ありがとうなの!」

はあ、コイツ見た目は立派でも中身はやっぱ子供だよな。

……30分後。

「はあ~・・・思ったよりも怖かったの~」

「そうだな。でも、そこそこ面白かったぞ」

「・・・ハニー、ぜんぜん怖そうにしてなかったの」

「そりゃあ、大して怖くなかったしな」

「う~、なんかミキばっか怖い思いして不公平なの。それじゃ、今度は
 アレなの!」

と言って、美希が指差したのはお化け屋敷。

「今度はお化け屋敷で怖がって抱き付く気か?」

「・・・ソンナコトナイヨ」

だから、せめて目を合わせろよ。


お化け屋敷の前まで来ると、中から『キャー』とか聞こえてくる様に
なった。

「なになに、『吸血鬼の館。不夜城レッド』だってよ」

「なんか、最近出来た新しいお化け屋敷なんだって。面白そうなの~!」

・・・コイツ、絶対にお化けで怖がる様な奴じゃないよな。そんな事を
考えながら、俺と美希はお化け屋敷に入っていった。


「あー、面白かったー♪」

美希の表情は、お化け屋敷から出てきた奴とは思えない様な笑顔だった。

「お前な、ちょっとは怖がってやらないと中の人が可哀想だろ」

「それはハニーも一緒だよ」

「昔、バイトでやった事あるんだよ。だから、大体どこで出てくるかとか
 予想が出来ちまうからな」

「それって、着ぐるみとか無しで?」

「・・・おい、いい大人だけど泣くぞ」

俺はお化けよか怖いって言いたいのかよ。

「ねえ、次はどこに行く?」

「ちょっと待ってくれ。その前に何か食べさせてくれ。事務所に戻ったら
 何か食べようと思ったから、さすがに腹が減った」

「そうなの?それじゃあさ、実はミキ、お弁当作ってきたの。それを一緒に
 食べよう」

……美希のお弁当ねえ。ちょっと不安だな。

「う~!ハニー、今、ちょっと不安だな~とか考えたでしょ!」

「ははは、そんな事あるわけ無いじゃないですか美希さん」

「しっかり目は見てるけど何故か敬語だし棒読みなの~!」

怒った美希がバシバシと攻撃してきた。

「いたた、悪かったよ。せっかく手作りしてきてくれたんだから、ちゃんと
 食べてやるよ」

「ホントだよ。残したらダメだよ」

さて、何が出てくるやら・・・。

俺と美希は、運良く涼しい屋内のスペースを見つけ、そこで食事を
する事にした。

「はい!ハニー、どうぞなの!」

「これは・・・でけえおにぎりだな」

まあ、美希が好きな物だし、こうなるよな。

「そんじゃあ、いただきます」

そう言って美希から貰ったおにぎりを頬張る俺。・・・だが。

「……美希さん。おにぎりにカマボコ入れるのはどうかと」

予想外な具でかなり驚いた。

「え?結構いけると思うけど。もぐもぐ~♪」

「不味くはないけどさ・・・ちょっと、しょう油が欲しくなるなコレ」

とりあえず最初の一個を食べ終わり、次のを食べてみると・・・。

「……おい、今度は肉じゃが風味のこんにゃくが出てきたぞ。どんな
 ラインナップなんだよ」

「うん?昨日の晩ご飯の残りをちょっと貰ったの」

・・・残り物を俺に処理させるなよ。まあ、不味くはないので文句が言えない。
それに、形がちょっと変なのが一生懸命作ったんだなって思わせるしな。


「ごちそうさまなの~♪」

「俺もごちそうさま。ありがとうな、美希」

俺は美希にお礼を言い、缶コーヒーを飲みながら休んでいた。

「ねえねえ、次はどこに行こうか~?」

「お前は元気だな・・・。もう少し休ませてくれよ」

「え~?……それじゃあさ、アレならいいよね?」

美希が言ったアレとは、この辺では結構有名な観覧車だった。

「そうだな。あれならゆっくりできるな」

「それじゃ、れっつごーなのー♪」

「お、おい!引っ張るなよ!」

やれやれ、本当に子供は元気だな。・・・って、今日の俺、おっさん臭いな。


しばらく並んだ後、ようやく俺と美希は観覧車のゴンドラに乗る事ができた。

「そういや、観覧車なんて乗るの子供の時以来だ」

「そうなんだ。・・・えへへ。デートっぽくていいな、こういうの」

「さてと、そろそろお前の言ってた情報を教えてくれてもいいんじゃないか?」

「ん~、だーめ。まだもうちょっと待っててなの」

ちっ、だめか。今なら聞きだせると思ったんだがな。

「……ねえ、ハニー。聞きたい事があるんだけど、いい?」

「俺にか?まあ、答えられる範囲ならいいぜ」

どうしたんだ、急に大人しくなったな。

「それじゃ・・・聞くよ?ハニーってさ・・・やよいの事、好き?」

「ああ、好きだけど」

「わっ!即答なの!?」

「なんだよ、聞きたい事ってそんな事かよ」

「え、えっと、ちょっと聞き方を変えるの。やよいの事、恋人にしたい?」

「え?そう思ってる・・・はず」

俺は少しだけ答えを迷ってしまっていた。

「どうして、そんな曖昧な返事なの?やよいの事好きじゃないの?」

「あ~……何て言ったらいいかな。多分、俺はやよいの事、すごく大事だと
 思ってる。もちろん765プロのみんなやお前も大事だ。それでも、悪いとは
 思うがやよいが一番大事だ」

「・・・うん」

「でもさ・・・その感情が『恋愛感情として好き』なのかは・・・ちょっと
 分からない。俺はそういう風に人を好きになった事ないし、そんな暇も
 なかったからな」

「うん。ハニーが765プロ来る前はすごく大変だったのは知ってるよ・・・」

今の美希と同じ位の頃、俺は両親と妹を事故で亡くした。その後は色々あって
社長に拾われて・・・だもんな。

「ねえ、ハニー。ミキはね、ハニーはちゃんとやよいの事好きだと思うよ。
 だって、やよいの事みんなよりも大事でしょ?」

「・・・ああ。やよいを守ってやりたいし、誰にも渡したくないな」

俺がそう言い切ると、美希は黙って俺の事を見ていた。・・・沈黙が何か
息苦しいな。

「あーあ。やよいがうらやましいの。こんなにハニーに思ってもらえるなんて」

「それは悪かったな。いや、お前が俺の事を好きだって言うのはちゃんと
 嬉しいんだぜ。でもよ、俺よりもいい男なんていくらでもいるだろ?」

「そんなのいるわけないの~!・・・ねえ、ミキがどんなに誘惑しても
 やよいの方がいい?」

「ああ、やよいの方がいい」

「どうしても?」

「しつこいぜ。俺はやよいの方がいい」

「ふ~ん……」

あれ?何か美希の目が獲物を捕らえたライオンの様な感じに……

ガタンッッ!!!

「・・・は?」

一瞬、何が起きたかマジで分からなかった。何とか理解できたのは、
ゴンドラが少し揺れたのと……何故か俺が美希に押し倒されてた。

「ミキがこんな事しても、ハニーはなんともない?」

「……いや、その前に。普通、逆じゃねえか、この状況?」

「ふふふ~♪ハニー、この状況なら逃げられないね~♪」

「バカ言え。俺なら3秒でお前をねじ伏せてこの危機から脱出するぜ」

「でも、ミキをケガさせちゃう事はしないよね~?」

マジでやばい。このままだと本気で食われる!?

「ねえ・・・本当にミキがこれだけしても変わらない?」

「こんなガキっぽい事する奴は悪いがお断りだ」

・・・そこで黙るなよ。あと、顔が近い顔が近い顔が近い!

「はあ~。やっぱダメだったの・・・ツマンナーイ」

そう言うと、やっと美希が自分の椅子へと戻った。……た、助かった。

「ねえ、ハニー。ちょっとはドキドキした?」

「するわけないだろうが」

内心、死ぬほど焦ったりしたが普段通りに返した。


観覧車を降りた後、急に美希が帰ると言い出したので遊園地を
出る事にした。

「うーん!たのしかったのー!」

「俺は仕事するより疲れたぜ・・・」

特に精神的にな……。

「あのさ、今日は本当にありがとうね。コレ、ミキが言ってたいい情報なの」

「ん?何だこの紙?・・・これってメルアドだよな」

「うん。それ、貴音とついでに響のメルアドだよ。この前は雪歩にかわいそうな
 事しちゃったから」

「……これがいい情報?」

「うん、そうだよ」

・・・ま、まあいいか。最初からそんなに期待してなかったし、雪歩も
喜ぶだろうしな。・・・響のは本当についでだけどな。

「それじゃあ、ミキはもう行くね。次に会うのはオーディションだね」

「そうだな。言っておくが、俺とやよいは絶対にお前らに負けないぜ」

「それはミキも同じだよ。絶対に勝って、ハニーをミキの物にしちゃうの!
 ・・・それじゃ、またね~!」

美希はブンブンと手を振りながら帰っていった。

「……さてと、律子さんにお説教を受けに行きますかね」

俺は、正直このまま帰りたい足を無理やり事務所へと向けて進ませた。
・・・帰りたい。


「それで?プロデューサーがいない分を私が死ぬ気で頑張ってる間、美希と
 一緒に遊園地で遊んでたってわけ?へ~・・・ふ~ん」

事務所に着いた俺は、予想通り律子に怒られて正座させられていた。

「あ、あの~律子さん。プロデューサーさんも美希ちゃんに無理やり
 連れて行かれちゃったんですし、その辺で・・・」

「小鳥さん、プロデューサーと一緒にそこに座りたいですか~?」

「ひう~!ごめんなさ~い!」

「小鳥さん、可哀想に。でも、そろそろ黒崎君を許してあげたら。
 そのままだと、今度のIUで役に立たなくなっちゃうわよ?」

「む・・・わかったわよ。じゃあ、椅子に座るのを許可します」

綾乃、マジでありがとう。俺の足のHPはもう0だったからな。

「ねえねえ、黒崎君。美希ちゃんとのデートは楽しかった?」

「えっ?あ、いや~・・・」

「な、何かあったんですか!?そこを詳しく!」

うげ、小鳥が思いっきり食い付いてきた。幸いなのは事務所に他の奴らが
いない事か。

「いや、普通に遊んでただけだ。そんだけ」

「本当ですか?美希に何かしたんじゃないんですか?」

「……いや、むしろ俺が襲われた側」

『・・・えっ?』

口に出してから『しまった』と思った。

「……プロデューサー?まさか襲われたんですか?」

「プッ・・・ククク!も、もうだめ、お腹いたい~!」

「プロデューサーさんが受け……アリだと思います!!」

「すいません、ちゃんと説明するので勝手な妄想で俺を弄ぶのは本気で
 勘弁してください」

その後、時間は掛かったが何とか事情を解ってもらえた・・・様な気がする。

「黒崎君、立てたフラグを放っておくからそんな目に逢うのよ。・・・フ、フフッ」

「綾乃さんたら、そんなに笑ったりしたらプロデューサーさんが
 可哀想ですよ~!」

「・・・おい、綾乃」

「な、なに?怒った?」

俺は美希に貰った紙を綾乃に渡した。

「それ、貴音のメルアドだそうだ。雪歩に渡してやってくれ」

「あ・・・うん、了解」

「プロデューサー、もう一個のメルアドは誰のですか?」

「そっちはついでに貰った響のだ。やよいにでも教えてやったら喜ぶかな」

「……ねえ、プロデューサー。プロデューサーが美希としてた話だけどさ、
 プロデューサーがやよいの事を大事に思うのって、『保護者』として?
 それとも『大切な人』?」

律子が妙にまじめな顔で聞いてくるもんだから、綾乃も小鳥も何も言わなく
なっちまったじゃないか。

「・・・どっちもかもな。なあ、俺ってやっぱやよいの事好きなんだよな?」

「な、なんていう事聞くのよあんたは!そ、そんなのプロデューサーにしか
 解らないじゃない!」

「律子さん真っ赤よ」

「真っ赤ですね」

「うるさーい!」

俺にしか解らない・・・か。

「そうだよな。ありがとう、律子。なんかスッキリしたぜ」

「な、なんでお礼を言われなきゃいけないんですか……」

律子のなんでもズバズバと言ってくれる所は、時々感謝したくなるな。
そんな事を考えていると、不意に事務所の入り口のドアが開いた。

「はわっ!?絆さん!」

「おっ、やよいか。今日は休みなのになんでまた」

「はい。さっきまで響さんと貴音さんとお買い物してたんですけど、帰りに
 事務所の方へ寄ってみたら明かりが見えたんで来ちゃいました」

そうだ、それなら丁度いい。

「ほい、これ美希から。響のメルアドだってさ」

「えっ?本当ですか~!わたし、うっかりしててずっと聞きそびれてたん
 ですよ。絆さん、ありがとうございますー!」

「俺じゃなくって美希にお礼言っとけよ」

俺はやよいの頭をいつも通り撫でていた。すると、昼間、美希に言われた事と
さっき律子に言われた事を思い出した。


『ねえ、ハニー。ミキはね、ハニーはちゃんとやよいの事好きだと思うよ。
 だって、やよいの事みんなよりも大事でしょ?』

『プロデューサーがやよいの事を大事に思うのって、『保護者』として?
 それとも『大切な人』?』


「……なあ、やよい」

「はい?どうかしましたか、絆さん?」

「やよいってさ、俺の事好きなのか?」

「・・・え?えええ~~~!!」

『なん・・・だと・・・』

あっ、聞き方が不味かったか?やべえ、後ろにいる律子たちまで動揺
させちまった。・・・でも、どうでもいいか。

「え、えっと~!その~!……だ、大好きです!!すっごく大好きですーー!!」

『な、なんだってーーー!!!』

あ~・・・。結構、真正面から言われるのって恥ずかしいんだな。
でも、何故かわからないけど・・・すごく安心した。

「ありがとうな、やよい。最初に約束したけどもう一度言うな。俺は必ず
 お前をIUで優勝させる・・・約束だ」

「あ・・・はい!私も優勝します!がんばりますね!」

やよいのその笑顔を見て、俺は一ヵ月後に迫っているIU最後のオーディション
への決意を固めていた。

俺は・・・俺達は必ず勝つ!ってな。


つづく。
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