春屋

こちらはゲーム「THE IDOLM@STER」「東方project」を応援しているサイトです。管理人のプレイ日記や、SSが置いてあります。
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すまいる ばーすでぃ

(こちらはやよいの誕生日本「やよぴったん2」に載せていただいたSSです。)




3月25日 駅前にて……


「うーむ、いい天気だな」

駅前にある謎の銅像の前で、空を見上げながら俺は呟いていた。
今日は仕事は休み……なのだが、ある約束があって俺はここで人を
待っている。残念ながら、彼女を待っているわけではない。

「ん……、来たか」

駅の入り口から出てきた『そいつ』は二つに結んだ髪を揺らしながら、
相変らず小動物みたいな仕草でキョロキョロしながら俺を探していた。

「おーい、こっちだ、こっち」

「あっ!プロデューサー!」

トテトテと小走りで俺のそばまでやってきたのは『高槻やよい』。
俺が働いているアイドル事務所、『765プロ』に所属しているアイドルだ。
ちなみに、俺はそこで働いているプロデューサーだ。……といっても、
やってる事はマネージャーとか雑用に近いような気がするけどな。

「プロデューサー、おはようござ……」

元気よく俺に駆け寄ってきたやよいを、俺は軽くこついた。

「はうっ!」

「あのな、でっかい声でそんな風に呼ぶなって。お前、自分がアイドルなのを
 忘れてないか?」

「はわっ、ごめんなさい?。えと、なんて呼んだらいいですか?」

「名前でいいよ、名前で」

「はいっ!わかりました、絆さん!」

……よく忘れられるんだが、俺の名前は黒崎絆だ。
正直、やよいが俺の名前を一発で言ってくれた時は感動で泣きそうだった。
他の奴らはみんな忘れてたけどな……。

「って、お前、少しは変装してこいよ」

「す、すいませ~ん!すっかりわすれてました~!」

はあ、しょうがないな……。

「ちょっとこっち来い」

「えっ?……あははっ、くすぐったいです~!」

「じっとしてろって……。まあ、お前だと髪下ろしただけでもかなり
 印象違うからな。これでよしとするか」

普段は頭の上で二つ結びにしている髪を下ろしただけで、結構変わるもの
だから面白い。少しだけ(本当に少し)、やよいが大人っぽく見えるのが
ちょっと新鮮だ。

「あの、どうかしましたか?じーっ、と私の事見てますけど?」

「ん、いや、その髪型も似合うなと思っただけだよ」

「わあ、ありがとうございます♪」

嬉しそうにしてるな?。そんなに俺に褒められるのが嬉しいのかね。
さて、今日、やよいと待ち合わせをしたのは他でもない。

『やよいに新しい服を買ってやる!』

それが目的だ。やよいはアイドルとしてちゃんと成功しているはずで、
それなりにギャラも貰っているはずなのだが、いっつも同じ普段着
ばかり着てくる。何故なのかこの前問いただしてみると……

『え、えっと?、ウチって貧乏じゃないですか。だから、私が貰ったお金で
 弟達にいろいろ買ってあげたんです。そしたら、自分の分がなくなっちゃって。
 でも、弟や妹は大喜びでした~♪』

それを聞いていた俺や春香達はみんなで泣いてしまった。

で、やよいの誕生日である今日、俺が服を買ってやる事にした。
もちろん、やよいは最初遠慮したのだが、俺はそれをスルーした。

「さてと、もう一人が遅いな」

しかし、俺が服を買ってやるといっても、どんな服を選んでやればいいのか
俺にはちょっとわからない。そりゃあ、ステージ衣装とかは何とかなるが、
普段着る服は専門外。さらに、女の服になるとまったく分からない。
だから、俺は『助っ人』を一人呼んでおいた。

「あっ、あれって」

「おっ、来たか」

駅の入り口から、長い黒髪が目立つ『助っ人』がやってきた。

「おはようございます、プロデューサーに高槻さん」

「おはよう、千早。ちょっと遅かったな」

「いえ、時間通りです。プロデューサーが早く来すぎたのでは?」

うーむ、相変らずクールな反応だ。こいつは『如月千早』。
やよいと同じ、765プロのアイドルだ。

「おはようございます、千早さん♪」

「おはよう。……それにしても、今日はどうしたの。いつもと髪型が
 違うけれど」

「……ちーちゃん、こっちへカモン」

こいつらは……自分がアイドルだって事もっと自覚しろよ。

「プロデューサー、その呼び方はやめてくださいって何度も……
 わっ!何を!?」

とりあえず、余っていたやよいの髪留めを使って、千早の髪を普段の
やよいの様に二つ結びにしてやった。うむ、やよいとは逆に、千早が
ちょっと子供っぽく見えるな。

「あのな、俺が変装して来いって言ったの覚えているか?」

「あっ……、そ、それは……」

「あと、俺の事もプロデューサーって呼ぶの禁止な」

「わ、わかりました。では、何とお呼びすればいいですか」

「……名前でいいよ」

すると、千早は少し困った顔をして考え込んでしまった。……まさか、
もう俺の名前を忘れたんじゃないだろうな。

「では、その、黒崎さんでいいですか?」

「下の名前も覚えてるよな……」

「え?絆さんでいいんですよね?」

よかった……本当によかった。どうでもいい事かもしれないが、
俺にはものすごく重要だったので嬉しかった。

「さてと、行くとするか」

「はーい」

「……あの、プロデューサー。ちょっといいですか」

「なんだよ、千早。まだ何かあるのか」

「なぜ私だったんですか。こういうのは、春香とかの方がいい気が
 するのですが」

うむ、それは俺も思ったのだが……。

「ま、たまにはいいだろう。お前も最近忙しかったし、息抜きだと思え」

「はあ……」

「なんだよ、やよいと出かけるのイヤか?」

「いえ!そんな事はありません!」

「なら問題なし。やよいにかわいい服を選んでやってくれよな」

俺はそう言って千早の頭をポンと軽く叩いた。

「どうかしました?」

「なんでもないぞ、やよい。さてと、あらかじめ他の春香達に聞いておいた
店のリストが……っと」

ポケットから出したメモには、春香や美希、亜美真美の二人に伊織から聞いた
「おすすめの店」が書かれている。あいつらならやよいに似合いそうな服を
売ってる店を知ってると思ったので、昨日聞いておいた。

「でも、プロ…じゃなかった、絆さん、本当にいいんですか。洋服って、
 結構高かったりしますし~」

「ああ、気にするな。結構資金には余裕があるからな」

ちなみにこの資金はみんなからのカンパだったりする。みんな、あのやよいの
話を聞いたせいか、かなりの額になっていた。無論、俺も結構いい金額を
出した。

「でも、やっぱり」

「なあ、やよい。お前は妹や弟の為にがんばってるんだし、少しぐらいは
 自分にごほうびあげないと可哀想だぞ。なあ、千早もそう思うだろ」

「え?えっと……」

「思うよな、ちーちゃん!」

「……はい。プ…、黒崎さんの言うとおりだと思うわ。だから、高槻さんは
 気にしないで」

「絆さん、千早さん……本当にありがとうございまーす!」

余程嬉しかったのか、俺と千早の腕にしがみついてきた。おっ、千早はちょっと
困ってるな。でも、嫌そうじゃないみたいだな。

「た、高槻さん。ちょっと、恥ずかしいから」

「でもでも!私、すっごく嬉しいです~!」

……そういえば、この二人で毎回気になってる事が俺にはある。

「なあ、何で千早はやよいの事「高槻さん」って呼ぶんだ?」

「何故と言われても……。最初にそう呼んでしまったから、
 そのままなだけです」

「でもさ、その呼び方だと他人行儀っぽくないか。やよいも千早に名前で
 呼ばれたいよな」

俺がそう聞くと、やよいは即答した。

「はい!私も千早さんに名前で呼んでほしいでーす!」

で、予想通りだが千早は困った顔でこっちを見ていた。
……いや、そこで俺の顔を見られても俺が困るぞ。

「ほら、別に名前で呼んでも問題ないだろ」

「わ、わかりました……、その、や、やよいさん?」

いやいや、何でさん付けなんだよ……。

「千早さん、呼び捨てで構いませんよ?」

「それじゃあ……、やよい?」

「はい!なんですか、千早さん!」

おっ、やよいの奴すごく嬉しそうにしてるな。千早もホッとしてるみたいだな。
……って、名前を呼んでやっただけだよな、これって。

「さて、なんか色々と時間食った気がするが行くか」

「はい」

「はーい!」


……それから30分後。


俺たちは春香がオススメした店の前に居た。華やかな装飾でいかにも
「オンナノコ」が好きそうな店だ。

「これは……確かに春香が好きそうな服がたくさんありそうなお店ですね」

「はい?。私に似合うのなんてあるんでしょうか?」

「大丈夫よ、私と黒崎さんで見つけてあげるから。それじゃあ行きましょうか、
 やよい」

「はーい♪」

そう言って、二人は店の中に入っていった。

……と、思ったらすぐに戻ってきた。

「なんで黒崎さんはついて来ないんですか?」

「どうかしましたか、絆さん?」

「い、いや……。こういう店ってほとんど入った事ないから」

「入りにくいんですか?べつに怖くなんかないですよ」

「はあ、子供じゃないんですから。やよいの為に服を選ぶんですよね、
 黒崎さん」

うう、千早の目がちょっと怖い。でも、千早から目を逸らすと今度は
やよいのいい笑顔が……。

「わ、わかったよ。言い出したのも俺だしな……。よし、行くぞ」

やっとの事で店内に入ってみると、小さいながら色んな服が置いてあった。
うーむ、本当にこんな店こないから、微妙に居づらい。

「わ~、これカワイイです~♪」

「そう?このスカートもやよいなら似合うと思うけれど」

……ふーん、普段「子供だな?」とか思ってるけど、やっぱり女なんだな。
服を選んでるだけなのにやたらと楽しそうだ。

「あの、絆さんはどんなのがいいと思いますか?」

「そうだな……コレなんかどうだ。やよいは暖色系の方が似合うと思うし。
 あと、スカートは逆に少し控えめな色にしてみるのも……いや、あえてこっちも
 色を合わせるっていうのも……」

「く、黒崎さん。プロデューサーとしてのスイッチが入ってます……」

「でも、絆さんが選んだのもいいですね~。せっかくなんで、
 試着してきまーす♪」

そう言い残して、やよいは試着室へと入っていった。

「……すまん、職業病が」

「いいえ、別にやよいも怒ってないみたいですし構いません。
でも、やっぱりプロデューサーは休日でもプロデューサーなんですね」

うう、千早に笑われてしまった。……でも、千早がこんな風に笑ってるのが
見れたしいいか。

「あの、着替え終わりました。どうですか?似合ってますか?」

試着室から出てきたやよいの姿は、俺が選んだオレンジ色のパーカーと
ライトグリーンのTシャツに、千早の選んだデニムのスカートを着ていた。
なるほど、俺のと千早のを合わせたのか。

「うん、似合ってるわよやよい。プロデューサーはどう思いますか」

「同じだ、よく似合ってるぞ」

俺は素直にそう思った。千早もきっと同じ事を思ったんだろうな。
そして、俺たちに高評価を得たやよいは、恥ずかしそうに顔を手を
当てながら笑っていた。

「あ、ありがとうございます。でも、ちょっとはずかしいですね」

「おっ、そうだ。こうすると、もっとかわいいくなるぞ……」

俺はやよいが着ているパーカーのフードをその頭に被せた。すると、
ちょこんと犬の耳みたいのが出てきた。

「わ~、かわいいですねコレ♪」

やよいは気に入ったみたいだな。で、千早は……言うまでもないか。
すでにやよいの頭をひたすらに撫でていた。

「わっ、あはは!くすぐったいですよ~、千早さん~」

「黒崎さん、すぐに会計をしましょう」

「ちーちゃん、落ち着けって。まあ、気持ちはわからんでもないが」

確かに、今のやよいは誰が見てもかわいいと言うだろうな。
などと俺が考えていると、店員がこちらへやってきた。

「あっ、お決まりですかお客様」

「ああ。せっかくだし、このまま着ていくか?」

「ええっ!いいんですか!?」

「そうね、せっかくだしそうしてもらったら。大丈夫ですか?」

「はい、いいですよ。ふふ、それにしてもご家族ですか?
 仲がいいんですね?」

店員にそう言われた瞬間、俺たち三人は動きが止まってしまった。

(しまった、俺たち三人をどう説明すればいいんだ?一応、アイドルなのは
 隠しておきたい。せっかくの誕生日なのに騒がれたらかわいそうだし。
 そうすると親子か?……いや、俺への精神的ダメージがでかすぎる。
 立ち直れんかもしれん……)

俺が慌てながらも考えをめぐらせている隣で、千早もどうしていいか分からずに
俺とやよいを交互に見ていた。すると、やよいが突然……

「きょ、兄弟です!二人は私のお兄ちゃんとお姉ちゃんです~!」

と、おもいっきし言った。まあ、それが妥当な判断なんだけどな……。

「そ、そうなんですか。ご兄妹でお買い物なんていいですね」

まあ、こうなったら俺も合わせるしかないな。やれやれ……

「そうなんだ。今日は妹の誕生日なんだよ。それで、みんなで服を買いに
 行こうって……そうだよな、ちーちゃん」

千早はびっくりした表情で俺の方を見た。
俺は目線で「とりあえず頷いておけ!」と送ると、千早にそれが通じたのか
縦に首を振っていた。

「それはおめでとうございます。よかったですね、いいお兄さんとお姉さんで」

「はい!二人とも……大好きなお兄ちゃんとお姉ちゃんです!」

うっ、そうハッキリと言われると結構恥ずかしいぞ。

「では、服はそのまま着ていくという事で。それじゃ、タグだけ失礼
 しますね……っと。それでは、金額を計算してまいりますので、
 少々おまちください」

店員は丁寧にお辞儀をすると、レジの方へ行ってしまった。
ふう、何とかなったか……。

「あの~……ごめんなさい!わたし、勝手にいろいろと言っちゃって!」

「ん?俺は気にしてないぞ」

「私も平気よ。だから、そんな顔はしないで」

「でもでも、その……二人とも……」

あ?、そっか。千早の事を気にしてるのか。まあ、そういう俺も家族を
亡くしているわけだが……。

「やよい、別に俺はお前にそう呼ばれても、ち~っともなんとも無いぞ。
 むしろ、今日はそう呼んでくれてもいいぞ。お前はいつもお姉ちゃん
 やってるんだし、たまにはいいだろ」

「そうね……。私も、今日はやよいのお姉さんになってもいいと思ってるわ。
 私も黒崎さんも、やよいの喜んでいる顔が見たいもの」

千早の奴、無理してるのかとも思ったがそうじゃないみたいだな。
千早もちょっとづつだけど、いい方に変わってきてるんだなと思うと、
俺は何か嬉しかった。

そして、そんな俺よりも嬉しそうにしているのが目の前のやよいだ。

「わたし……わたし、すっごく嬉しいです!もう、なんていうか、
 とにかく嬉しいでーす!」

そう言い、俺と千早の腕にしがみついて来たやよいを見ながら、俺たちは
笑っていた。なぜなら、目の前のやよいが、こんなにも嬉しそうに
笑っているからだ。

「さて、この後はどうする。昼メシにでもするか?」

「そうですね。やよいもそれでいいかしら」

「はい!……えっと、お兄ちゃん、お姉ちゃん♪」

まっ、たまにならこういうのも悪くはないな。

「おっと、やよいに大事な事を言い忘れてた。なっ、千早」

「えっ?……ああ、わかりました」

「え?え?」

俺と千早はやよいに向けてありったけの気持ちを込めてこう言った。

『誕生日おめでとう、やよい』

「……あの、あの!本当にありがとうございます!」

「何言ってるんだよ、今日はまだまだこれからなんだぞ」

「そうよ、やよい。帰ったら春香達が色々と用意してくれてると思うから、
 それまでに買い物を終わらせましょう」

「うっうー!絆さんも千早さんもありがとうございま?す!えと、それじゃあ
 今日はよろしくお願いします、お兄ちゃん♪お姉ちゃん♪」

やよいのそんな嬉しそうな笑顔を見ていて、俺は(きっと千早も)やよいの笑顔が
何よりのお礼だと本当に思った。


やよい

本当に誕生日おめでとう。

おわり
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【 2009/03/20 (Fri) 】 アイマスのSSですよ♪ | TB(0) | CM(0)
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