春屋

こちらはゲーム「THE IDOLM@STER」「東方project」を応援しているサイトです。管理人のプレイ日記や、SSが置いてあります。
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貴音とおでかけ (ぷらす)

このお話はSPの雪歩ストーリーのED後です。
こちらのSSは前に書いた物に加筆修正を加えたものです。
ちょっと長いので、のんびりと読んでください。







それはある日の昼下がり。

アイドル事務所「765プロ」でプロデューサーをしている俺、
黒崎 絆は事務所で貴音と一緒に昼メシを食べていた。

「んー。なあ、貴音。ここ最近はレッスンばっかりだが、疲れたりとかは
してないのか?」

俺は目の前でラーメンを食べている銀髪の女の子に声を掛ける。

「はい。ココでの私はまだまだ見習いですし、そんな事を言っては
 いられません。私を支えてくださった方達のためにも、
 それに雪歩やあなた様の為にも」

うーん、相変わらず真面目な奴だな。

俺の目の前に居るのが「四条 貴音」。少し前に色々あって961プロから
765プロに移籍してきた奴だ。見た目は銀髪でスタイルもいいし、歌も
上手い。多少変わっている所もあるが、この事務所じゃ気にならんだろう。
ちなみに、ちょっと前まで雪歩とIU(アイドルアルティメイト)で競い合って、
トップアイドルの一歩手前まで行った程の実力はある。だから、もうちょっとは
気を抜いてもいいと思うんだけどな。まあ、こんな事言ったら怒られるだろう
から言わないけど。

「そっか、無理しないようにな。ここには、黒井のおっさんみたいに
 体壊すまで働けなんて言う奴はいないんだからな」

「はい。……本当に、あなた様には感謝を」

「別に気にするなって。それに、お前が倒れでもしたら、俺が雪歩に
 怒られちまうし」

雪歩は貴音の事がかなりお気に入りみたいだしな。まあ、仲が良いのは
いいけど。一回、「俺と貴音のどっちが好きだ?」とか聞いてみたいが、
確実に泣き出すのが目に見えるのでやめておく。

「そういえば、あなた様は昼食がその面妖なパンだけで大丈夫なのですか?」

ちなみに、貴音が言った「面妖なパン」とは焼きそばパンである。

「ん?ああ、今日は何となくパンが食べたかったからな。それを言うならさ、
 お前はまた「ソレ」なのか」

と、オレが指差した先には「ごっついラーメン みそ味」と書かれた
カップラーメンがあった。貴音はいい所のお嬢様……というか、どこかの
お姫さま(らしい)なのだが、何故かラーメンが好きで、しょっちゅう
昼メシでラーメンを食べているのを見かける。

「あの、家ではじいやに怒られてしまって食べれないので……」

ありゃ、ちょっとヘコんじまったか。でも、こうしてると年相応にかわいく
見えるな。……再デビューさせる時はこっちの貴音を押していくかな。

「別に怒ってるわけじゃなからいいって。ふむ、そんなにラーメンが好きなら、
 お前が喜びそうな所知ってるから連れて行ってやるよ」

「え?私が喜びそうな所ですか?」

「ああ。次の休み予定があるのか」

「いえ、ありませんが。その、私ばかりでは雪歩にも悪いのでは」

「ん?別に大丈夫だろ。一緒に出かけるだけなんだし」

でも、貴音と出かけたのを知ったら「貴音さんと一緒に出かけるなんて……
プロデューサーだけずるいです~!」とか言われそうだけどな。

「そうですか……。では、この様な私ですが、よろしくお願いいたします」

「いいって、このくらい。そんじゃ、次の休みの日楽しみにしておけよ」

「えっと、その……はい、楽しみに待っております」

貴音はすごく嬉しそうにそう答えた。そんなに俺と出かけるのが楽しいかね?
その日の昼はそんな事を話しながら過ぎていった。


そして、約束の日……


「ん~~~~……遅いな」

どうしたかな?約束の時間になったのだが、貴音がやってこない。
約束の時間に遅れる様な奴じゃないんだがな。

「場所はあってるんだけどな……駅の前って言ったはずだし。・・・あっ」

そこである事に気が付いた俺は、急いで貴音の携帯に電話を掛けた。

「おーい、貴音」

『あっ。今、私も電話をしようかとしていたのですが……』

「電話の操作がよく分からなかったってオチだろ」

『そ、そのとおりです。もしかして、近くにいらっしゃるのですか?』

……何故に今時の若者なのに携帯が使えないんだ。そういや、
この前も雪歩とメール交換の仕方とか教わっていたっけ。

「そんな事より、今どこに居る?」

『はい、あなた様の言うとおりに駅の前に居ますが』

あ~、思ったとおりだ。確かに俺は「駅の前」とは言ったが……

「貴音、俺は『駅の東口』で待ってるって、言わなかったか?」

『えっ?えっと、それは』

「後ろを向いて、駅の看板に何て書いてある?」

……10秒ほど無言。

『うう、『西口』と書いてありました』

うーん、あずさ程ではないが、貴音も見事な方向音痴だな。

「はいはい、その場から動くなよ。俺がそっちに行くから」

『はい……申し訳ありません』

「気にすんなって。そんじゃ、5分ぐらい後でまた」

俺はそう言って電話を切ると、貴音が居る駅の西口へ向かった。


「よう、お待たせ」

「その、本当に申し訳ありません」

西口で俺が貴音を見つけると、貴音は本当に申し訳なさそうに
頭を下げた。

「だから、気にするなって言ってるだろ。それにしても、今日は
いつもと違う私服なんだな」

今日の貴音は、雪歩のと似た白いワンピースに淡い紫のカーディガン、
それと白い帽子といった、何とも優雅な服装だ。

「はい、最近はだいぶ暖かくもなりましたし折角なので。あの、
どこか変な所でもありましたか?」

「いや、よく似合ってる。何ていうか・・・エレガント?」

「はあ?それはよかったです。そういえば、今日は一体どちらへ?」

「それは俺に着いて来れば分かるって。そんじゃ、行こうぜ」

「はい、よろしくお願いします」

少し遠回りになったが、俺と貴音は目的地へ向かう事にした。


「じー……」

「ん?どうしたんだ、俺の服ばっか見て」

「いえ、あなた様の私服姿をあまり見た事がないもので」

「まあ、仕事の時はいつもスーツだからな。俺の私服、何か変か?」

そりゃあ、黒が好きだから私服も真っ黒だけどさ。

「えっと・・・まっくろですけど、よく似合ってると思います」

……これはお世辞か?それとも本気なのか?

「そうそう、俺が言ったとおり何も食べてきてないよな」

「はい。でも、何故その様な事を?」

「それは……っと、到着。ここに連れて来たかったからだ」

そう言って、目的地の建物を指差した。入り口にのぼりが立っていて、
「らーめん はざくら」と書かれている。

「ここは・・・らぁめんのお店なのですか?」

「そうだ。中に入ったらもっとびっくりするぞ。ほら、店に入ろうぜ」

「は、はい」

少し戸惑い気味の貴音を連れて、俺は店に入った。

「まあ……これはすごいです」

おお、予想通り驚いてくれたか。でなけりゃ、ここに連れてきた意味が
ないからな。ちなみに何故、貴音が驚いているかというと、この店は
『インスタントラーメン限定の店』なのだが、コンビニとかでよく見る物も
あれば、地域限定の珍しいのがあったりもする。店内を見てるだけでも
面白いので、暇があればよく来るようにしている。まあ、ラーメンが
大好きな貴音を連れてきたら喜ぶだろうと思った、俺の考えは当たった
みたいだな。早速、目をキラキラさせながら店内を見て回ってるし。

「貴音、食べたいのがあったらあそこのカウンターに持っていけば
 作ってくれるぜ」

「そうなのですか?・・・あっ、だから何も食べてくるなとおっしゃったのですね」

「そのとおり。まあ、時間はあるしゆっくり選んでていいぞ」

「はい。では、せっかくですのでじっくり吟味して決めたいと思います」

そ、そこまで大げさなものなのか?まあ、楽しそうだし別にいいか。

「じーー」

しばらく店内を歩いていた貴音が、ある一点を見つめて動かなく
なっていた。

「ん?貴音、何を見てるんだ」

「はい・・・これなのですが」

そう言い俺に見せたのは、この店がオリジナルで作った「ラーメン専用丼」。
なんでも、ラーメンの為だけに作ったそうだが……ネタ商品だよな?。

「……これ、買ってもいいでしょうか?」

「マジですか?」

結局、貴音は自分用と雪歩へのおみやげ用に2つ買っていた。
・・・アレを買ってる奴を初めて見たかもしれん。


1時間後……


「まさか、3種類も食べるとは思わなかったぜ」

「あの・・・その・・・」

「あっ、別に咎めてるんじゃないぞ。ただ・・・よく食べれるなと」

「うう……はしたなかったでしょうか?」

「ま、まあ、お前が喜んでくれりゃそれでいいさ」

しかし、どこにそんな入るんだ。ラーメンは別腹なのか?

「そういえば、そっちの袋はみんなへのおみやげか」

「はい。折角、この様な珍しい場所に連れてきてくださったのですから」

貴音はそう言っておみやげの一つを俺に見せてくれた。

「それは沖縄限定のか。って事は、響へのだな」

「はい、響が喜ぶと思ってこれを」

そっか、響と貴音は961プロで一緒だったし、765プロに来てからは
話せる機会が増えて前より仲良くなったんだろうな。

「貴音は本当にやさしいよな。いつも他の奴の事も考えてるし、
 そういうの本当にえらいと思うぞ」

そう言って、俺は帽子の上から貴音の頭を撫でてやった。

「わ、私は当然の事をしたまでで・・・」

「そんな事ができない世の中だからだよ。いいか、そういう心構えは
 大切にしろよ」

「は、はい。しかし、あなた様の言葉はいつも為になる事ばかりで、
 私もまだまだ学ぶべき事が多いのだと思わされます」

「まあ、他のみんなにもよく言うけどさ、ゆっくり焦らずにやれ。変に急ごうと
 すれば、絶対にいい結果なんかでやしない。お前らまだ10年ちょっとしか
 生きてないんだから、自分のペースを乱さずにこれからもがんばれよ」

そう言ったものの、俺も二十年ぐらいしか生きてない。
……すげぇ年寄りみたいな事言っちまったぜ。

「本当に……私はあなた様に出会えて幸運だったと思います。あの月の夜、
 あなた様と出会えなかったら、今、こんな風に笑っていなかったかも
 しれません」

あの月の・・・ああ、IUが始まった頃の事か。そういえば、あの時の貴音は
一人で泣いていたっけ。

「そうか。まっ、幸運かどうかはこれから次第って事で。さてと、
 どこか行きたい所とかあるか。せっかく街まで出てきたんだし、貴音が
 行きたい場所へ連れて行ってやるよ。」

「そ、そんな。もう十分良くしていただいたのに、これ以上・・・」

「そんなの気にするなって。そうだ、お前が行った事無い所に連れてって
 やろう。その方が面白いだろうし。それじゃ行くぞ、貴音」

「あ、あのっ、そんな、手を引っ張らないでくださいー」

貴音の手を引きながら俺は思った。こいつが一人で泣く様な事は無くして
やろうと。まあ、貴音の性格を考えると、色んな事を背負い込んじまいそう
だけど。それでも、少しだけ俺がそれを背負ってやれるなら、それもいいかと
思った。それは俺だけじゃなくて、雪歩や響、他のみんなもそう思ってくれると
いいなと、本当に思った。


「まずはここだな。貴音は入った事ない所だろ」

俺が最初に連れてきたのは、お嬢様である貴音がまず入った事ないで
あろうゲームセンター。・・・まあ、マンガとかでありがちな話でテンプレな
気もするが気にしないでおく。

「ここは・・・ゲームをする所ですよね?」

「あれ?知ってはいるのか」

「はい。でも、入った事は一度も無いです」

「まあ、とりあえず入ろうぜ」

少々戸惑っている貴音の手を引いて、俺たちはゲーセンの中に入った。


「・・・これはすごいですね。どれもこれもキラキラして見えます」

貴音の第一声はそれだった。・・・まあ、ちょっと前まではもっと
暗い雰囲気が漂ってる様な場所だったんだがな。最近はファミリー
向けのゲームも多いし、内装も女の子でも入れそうな風に変わった。
これが時代って奴かね……って、俺はおっさんかよ。

「どれかやってみたいゲームとかあるか?」

「えーと……では、これを」

貴音が指を指したのはいわゆる「もぐら叩き」。少し違うのはハンマーが
パックマンでモグラ役がゴーストな所だ。

「これはどんなルールなのですか?」

「このハンマーで穴から出てくる敵を叩けばいいんだ。で、やってみるか?」

「は、はい。がんばります」

俺が100円を投入口に入れると、派手なBGMとともにゲームがスタートした。

『ギャハハー』

「きゃっ!?」

「いや、そいつを叩かなきゃ・・・。もぐら叩きの敵でビックリした奴、
初めて見たぞ」

その後、貴音は穴から出てくるモグラ・・・いや、ゴースト達と戦いを
繰り広げたのだが、結果は……。

「まさか、スコアが二ケタいかないとは思わなかったぜ・・・」

「すいません・・・」

ある意味、器用な事をやってのけた貴音だった。

「あの、あなた様の腕前はどのくらいなのですか?」

「俺か?それじゃ、見せてやるとしますか」

俺は100円をゲーム機に入れ、ハンマーを両手に装備して構えた。

『ギャ・・・』

スコーン!

「は、早いです・・・」

「まだまだ、これからだ」

その後も二刀流な俺はゴーストどもを片っ端からボコボコにしていった。


『ま、まいりました~~!』

「おみごとです!あなた様は、本当に何でもできてしまうのですね」

「まあ、二刀流だったからな。片腕でも80後半から90のスコアは出るぜ」

「それでも、すごいと思います。とてもステキでしたよ」

「あ、ありがとう・・・」

もぐら叩きでここまで褒められたのは人生初だな。……何か、まわりの
奴らから「彼女と来やがって」とか「リア充氏ね」とか聞こえてきた。
今度は貴音と二人でやろうかと思ったが、やめておこう。
微妙に殺気を感じるしな。・・・つーか、彼女じゃないぞ。

「さて、次に気になるのはあるか?」

「そうですね。あっ、あれは見た事あります」

と、貴音が次に興味を持ったのははUFOキャッチャーだった。

「あれは前に響がやっているのを見た事があります」

「なるほどな。で、響はぬいぐるみを取れたのか?」

そう聞くと貴音は首を振った。

「そうか。貴音はこの中で欲しい物はあるか?」

「え?えっと・・・アレが」

貴音が指を指したのは「765プロ ぷちどる これくしょん」のぬいぐるみ。
春香達が2頭身ぐらいのキャラになっているシリーズだ。その中から
貴音は雪歩を選んでいた。

「あれか……300円って所だな」

「え?」

貴音が横で首をかしげている中、俺は最初の100円を入れた。

「まずは取りやすい様に移動させてっと・・・」

アームを上手く動かし、コロンと雪歩のぬいぐるみを転がした。

「次は微調整・・・」

次の100円で角度を変える。

「これで取れるハズだ」

俺の言ったとおりにアームがぬいぐるみを掴んで、穴の方へと
運んでいき……

「あっ、すごいです。本当に取れてしまいました」

「こんなもんだろう。ほれ、やるよ」

取ったばかりのぬいぐるみを渡してやると、貴音はうれしそうに
それを抱きしめていた。

「ありがとうございます。・・・これは大切にします」

やれやれ、大げさだな。まあ、喜んでくれたからいいかな。
……さて、そろそろ退散しないと俺が刺されるかも。

「さて、そろそろ次に行くか」

「はい!」

ゲーセンを後にした俺達が次に向かったのは、アクセサリーの店。
ちなみにこの店を教えてくれたのは亜美と真美だ。前にここが
よく来る店だと言っていたのを思い出して、貴音を連れてきた。

「ここは、色んなアクセサリーが置いてあるのですね」

「やっぱり、貴音はこういう所来た事ないのか?」

「はい。その、女の子なのに変でしょうか?」

「そんな事無いだろう。ウチの事務所で言うなら、千早や律子はこういう
 店に自分から行かないだろうしな」

……本人の前で言ったら殴られそうだな、これ。

「あの・・・」

「ん?どうした」

「えっと、私にはどんな物が似合うと思いますか?自分ではよく分からない
 ので」

「わかったよ。そうだな……」

俺は仕事の時の様に貴音を見た。・・・が、すぐにやめた。今日は遊びに
来てるんだし、もっと気楽に決めてやった方が喜ぶだろうしな。

「・・・あっ、これなんかいいんじゃないか」

と、俺が選んだのはやたら可愛らしいネコがくっついたカチューシャ。

「こ、これですか?可愛らしいですが・・・私に似合いますか?」

「ああ、似合うと思うぜ。貴音ってさ、いつも大人っぽい服ばっかり
 着させられてるだろ。たまにはさ、こういうカワイイのとか着けても
 おかしくはないと思うぞ。せっかく、貴音本人が可愛いのにもったい
 ないぜ」

「あっ・・・そのっ・・・ありがとうございます・・・」

あれ?もしかして、俺はまた余計な事を言ったのか?貴音の奴が顔を
赤くして恥ずかしそうに下を向いてしまった。

「そ、それじゃあ、これはお前にプレゼントしてやるよ」

「あのっ、そこまでしていただかなくても!私もそんなつもりで言った
 のでは・・・」

「はいはい、気にしないでいいって。お前もさ、たまにはウチの
 お嬢様みたくワガママ言ってもいいんだぞ。遠慮しすぎなんだよ」

まあ、『あの』お嬢様の様に毎回ワガママばっかだと、さすがに困るが。

「ですが・・・そんなに甘えてばかりは・・・」

そうか、こいつの今までの環境を考えればこんな風になるのも分かる。
黒井のおっさんの所じゃそんな事は当然無理だし、家でもじいやさんに
厳しくされてたみたいだからな。でも……

「貴音、もっと俺を頼れ。俺だけじゃない。雪歩や響や美希、他のみんなを
 もっと頼れ。お前はもう一人じゃないんだからな」

「・・・絆殿」

「せめてさ、事務所に居る時やこうやって出かけてる時は
 肩の力抜いてもいいんだぜ。ほら、ウチの事務所は業界で1,2を
 争う程の『お気楽事務所』なんだからな。・・・これって、あんまり
 褒められた事じゃないけどな、はははっ」

「・・・本当に、あなた様の言葉はいつも私の心に響くものばかり
 ですね。何度も何度もその言葉に救われたのを思い出してしまいました。
 本当に・・・あなた様には感謝を」

「俺だけじゃなくって、他のみんなにもな」

「あっ、はい。ふふっ」

なんか、やっと心から笑ってる貴音を見た気がする。それを見て、俺は
なんか安心した。

「それじゃ、これは受け取ってくれるな?」

「はい、喜んで。本当に・・・ありがとうございます!」

そんな貴音の笑顔を見て、今日はこうやって連れ出してやってよかったと
俺は思った。本当に、雪歩もそうだが貴音も手の掛かる奴だよ。
まっ、こういう役はイヤじゃないけどな。

それからも色々と街を歩いたりしたが、俺から貰ったカチューシャを
着けた貴音は本当に楽しそうだった。そして、その笑顔は色んなものを
吹っ切った様な、そんな笑顔だった。


……次の日。

「ふぁ~あ。おはようー」

うーむ。今日も馬車馬の如く働きますかね。そんな事を俺が考えてると、
ウチの妄想お姉さんこと、小鳥がやってきた。

「あっ、おはようございます、プロデューサーさん。その・・・早く雪歩ちゃんの
所へ行った方がいいと思いますよ」

「え?なんで?」

「その~……とにかく、かなり怒ってるみたいですけど。何かしたんですか?」

……俺、何かしたっけな?とりあえず、よく分からないが雪歩の所へ
行く事にした。

「あ、いたいた。雪歩、おはよ・・・う?」

な、なんだ?背中越しに殺気みたいなものを感じるんだが。

「プロデューサー、おはようございます~・・・」

わー、すげえ。笑顔なのにめっちゃキレてるのが分かる。

「あ、あの、雪歩さん?俺が何か気に触ることでもしましたでしょうか?」

あまりにも怖かったために、つい敬語になっちまった。

「プロデューサー、昨日は四条さんと一緒に出かけたみたいですね~?」

あー、やっぱりそれか。俺が貴音を連れてったのを怒ってるのか。・・・って、
どんだけ貴音ラヴなんだよこいつは。俺とどっちが大事なんだよ。

「えーっと、悪かったよ雪歩。そうだ、今度はお前たち二人で行って来いよ。
 女同士の方が、俺と行くよりも楽しいだろうし」

と、そんな提案をしてみたのだが・・・何故にまだ不機嫌顔?

「う~、違います!私はプロデューサーと一緒に行きたかったんですよー!」

「あっ?俺?」

「だって、プロデューサーは最近、四条さんと一緒に居る事が多いし・・・
 わ、私だってデートに連れて行って欲しかったです?!」

……あれってデートなのか?いや、それよりも誰だ、そんな事言った奴は。

「あら、雪歩。どうかしたのですか、そんな大きな声で」

と、雪歩が怒ってる原因である貴音がやってきた。なんてタイミングで
くるんだよ・・・。

「そういや、誰から俺と貴音がデートしてるなんて聞いたんだ?亜美と真美か、
 それとも律子か?」

「うう、それは・・・」

そう言って、雪歩は貴音の方を指差した。……って、なんだと!?

「あの、貴音。何でそんな事を言ったんだ?」

「えっと、昨日の事を亜美や真美にお話したのですが、親しい男性と食事を
 したり、買い物などに行けば立派なデートだと。何か、違っていたでしょうか?」

さらりとそんな事を言われた。・・・亜美、真美、お前ら覚えておけよ。

「あ~っと……。雪歩、貴音は亜美と真美の言った事を真に受けてるだけで、
 別にデートに行ったわけじゃないぞ。普通にご飯食べて、軽く遊んで
 きただけだ」

「ほ、本当ですか?・・・なら、よかったです」

はあ、何とか機嫌を直してくれたか。よかった、雪歩って怒ると以外に
怖いからな。

「ふふふ、本当にあなた様と雪歩は本当に仲がよろしいのですね」

俺と雪歩は貴音にそんな事を言われ、笑われてしまった。いや、余計な火種
作ったのはお前なんだぞ?。

「はい、プロデューサーは私みたいなダメダメな子をIUで優勝させて
 くれましたし、他の仕事やその他の事でも私を助けてくれる、大切な人です」

ぐお、なんて恥ずかしい台詞を言うんだこいつは。まあ、それがかわいくも
あるんだが。

「そうですか。……ちょっと、羨ましいです。その様に想っていただけるなんて」

「いや、別に俺は・・・」

俺が恥ずかしくって口篭っていると、次の瞬間……

「では、私も雪歩と同じ位想っていただける様にがんばらなくては
 いけませんね」

なんて、鎮火しかけた火事現場にガソリンを注ぐ様な事を言った。

「そういえば、昨日頂いた物ですが。私、大切にいたしますね。
 あんな風に殿方からプレゼントされたのは初めてですから」

た、貴音さん。それ以上いけない……。

「……うっ、うわ~ん!プロデューサーのうわきもの~~~~~~!」

すごい捨て台詞を残して、雪歩は走り去ってしまった……。
えっ、なにこれ、俺が悪いの?

「えっと、雪歩は何故泣きながら走って行ったのでしょうか?」

いまいち状況が分かってない貴音が不思議そうに首をかしげていた。

「なあ、貴音……。さっきのは俺がお前を好きになる様にって意味で
 言ったのか?」

そう貴音に聞いてみると、恥ずかしそうに顔を赤くして否定した。

「いえっ、その様な意味では無く!あの、これからも一緒に仕事をする者同士
 としてという意味で!あの……」

「あー、分かってるよ。はあ、お前も後で雪歩に謝っておけよ」

「はい……。でも、私も雪歩の様にあなた様の事をお慕いしても
 かまいませんよね?」

「・・・え?」

「それでは、私は雪歩に謝罪してきますので。また、レッスンの時に……」

貴音はそれだけ言い残して雪歩を探しに行ってしまった。
で、取り残された俺は思考がフリーズしたまま動けないでいた……

そして、そこを通りかかった(近くで見ていたんだと思う)小鳥が
追い討ちを掛けるような事を言った。

「プロデューサーさん、いつの間に貴音ちゃんルートに入ったんですか?」

……もう、勘弁してくれよ。

おわり
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【 2009/12/10 (Thu) 】 アイマスのSSですよ♪ | TB(0) | CM(0)
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